M&Uスクール

潜在意識の有効活用を教える学校”M&Uスクール”のサイト

今週の喝 第278号(2010.8.16〜2010.8.22) この世は全て催眠だ(20)〜我々も“精神的休息”を手に入れよう〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

この世は全て催眠だ(20
〜我々も“精神的休息”を手に入れよう〜

 精神科医で心理学者の天才ミルトン・エリクソンの出現によって、催眠法は科学的・医学的にもその絶大な効果が認められ、大きな飛躍をします。そして、それ以前の催眠は「古典催眠」と呼ばれるようになりました。
 しかし、古典と言っても何もそれが古いわけではなく、「催眠法の基礎」という意味合いでの用語です。このエリクソンのお話しをする前に、催眠の発展に大きく貢献した人の話をもう少ししましょう。
 催眠の実用化……それは、ペイン・コントロール(無痛操作)戦闘神経症の治療から始まりました。19世紀のイギリスでブレイドと同じ医師エズディルは、外科手術の痛みをコントロールするのに催眠(彼は無痛暗示と呼んだ)を用い、大きな成果を上げましたが、エーテル麻酔が開発されて、すぐに廃れてしまいました。前にも話しましたように、催眠者は音楽的センスや心理情緒が必要なため、KY(空気読めない)人間には、どうすることも出来ません。そこで、確実に麻酔に導入出来るエーテルやクロロフォルムの方が便宜性が高かったのです。
 しかし、この催眠の効用に注目した人物が現れます。ベルリンの大脳生理学者、オスカー・フォークトです。彼は、催眠に何度もかけられていると、只それだけで病気が治癒したり、健康感が増すことに気付きました。そして、催眠の医学的な研究を始めました。彼は、リラックス状態には睡眠と催眠の二つの状態があることを発見し、睡眠状態では、脳全体の働きが低下するのに対して、催眠状態では、脳の部分は正常に働いていることを見出します。そして、催眠誘導の研究を重ねるにつれ、「催眠に掛かろう」とする心理状態も含めて催眠状態がすこぶる健康に有効であることを発見し、自己催眠を行うことで、気分が和らいだり疲労や緊張が軽くなることが分かり、これを「精神的休息」と名付けました。

=「健康・経営・能力開発」成功の秘訣は、素直な心=
 私達の学校、M&U SCHOOLももうすぐ創立25年を迎えます。その間、「健康・経営・能力開発」を三本柱に、多くの方に「成功方程式」や「正しい人間関係」、また「人間の在り方」や「正しい育て方」について講義実習して参りました。そのレッスン過程で「潜在意識=人間の無意識」について理解していただき、その領域の大きさを実感していただくために、「催眠」を必修科目に入れております。それも、ただ「催眠を掛ける(正しくは催眠誘導する)」だけではなく、「催眠に掛かる」心の状態も体得するようにカリキュラムを組んでいます。
 ここに不思議な現象が起こっています。それは、「催眠に掛かる」ことを覚えた方は、フォークトが言うように病気治癒や健康改善だけではなく、未だ嘗て「癌」に罹った人が誰一人いないと言うことです。癌と催眠の関係について明快に研究成果を導き出したわけではありませんが、事象として現れています。つまり、「催眠に掛かる人は、癌になりにくい」と言えるのです。仮説として挙げますと、先ず、催眠誘導されやすい人の特徴は「心が素直」と言うことです。疑い深く欲望が先に立つ人達は、概して催眠状態になりにくいのです。従って、「癌」はその人間の心理状態が大きく関与する病と言うことが言えます。
 現に、癌研究のために、モルモットを発癌させようとしても、「なかなか癌に罹らない」と研究者が言っていたことを思い出します。一般に動物は、自然に生きているので、無為(=素直)なのです。だから、なかなか癌に罹らない!もしかしたら、癌の予防に催眠効果がクローズアップされるような事態になるかも知れません。
 「催眠で風邪は治らないが、癌は治る」……今はまだ、明言出来ませんが、フォークトのように、その可能性を研究することこそ学術に携わる者の使命だと確信しております。
 そして、そのような学者魂を持った素晴らしい人間が、ドイツに現れます。精神医学者ヨハネス・ハインリッヒ・シュルツです。後年、彼が開発した「自律訓練法」は、世界中に広まりました。
 シュルツも又、第一次世界大戦に召集され、戦争神経症患者の治療に携わり、PTSD(心的外傷後ストレス障害)によって引き起こされる心身症や精神病と向き合うことになります。彼は、サナトリウム(長期的な療養を必要とする人のための療養所)に勤務しながら大学で医学的心理学の講義をしました。サナトリウムは、風光明媚な温泉地や自然とふれあう環境の中に建てられることが多く、それは、結核患者には空気の澄んだ赤松林の高原が良いといった経験則で立証されておりました。現在は、認知症、脳卒中後遺症など、長期リハビリを伴う病気の治療は、高原や海辺で行われていますが、これも、シュルツ博士達医学的心理学者の努力のたまものと言えるでしょう。
 さて、このシュルツがフォークトの研究に触発され、催眠と暗示についての研究を進めることになり、そして、それが「自律訓練法」の開発につながってゆくのです。

この続きは、また来週……('-^*)/