M&Uスクール

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今週の喝 第276号(2010.8.2〜2010.8.8) この世は全て催眠だ(18)〜失敗は成功のシグナルだ〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

この世は全て催眠だ(18
〜失敗は成功のシグナル〜

 その昔、催眠術は「怪しげな見世物」「黒魔術」などと訝しがられ、まともにその効用を用いようとする人間は“変人”扱いされておりました。私は思うのですが、これは催眠の技術を自分だけのものにして、それによって利益を得ようとした人たちにとっては、その技法の科学的分析が自分の収入源の枯渇につながると思い、秘密主義に走った結果だと思うのです。
 メスメルもブレイドも、催眠の効用は素晴らしいものがあると分かっていながら、最後には自分の利益に結びつけようとして、催眠に掛かりにくい人達からは、インチキ扱いされました。これも、彼らの強欲性がもたらした自業自得の結果でありました。
 催眠は最も実際的な科学です。日常生活に無理なく取り入れた人は、多くの長所を自分のものにすることが出来ます。その最も有名なものが、クーエのあみ出した自己暗示「Day by day  in evrything……」です。
 人間は、観念(=自分の信じている事柄)によって、自分の人生の在り方を決める性質を持っています。従って、自分に自信を持つ人は堂々とした人生を送り、卑屈な人は戦々恐々とした中で卑屈な人生を歩みます。よって強欲な人は、自分の成りたい姿や欲しいものが欲望の渦巻きとなって心を支配し、人としての「程」や「分」を見失った心の状態で、人生の駒を進めます。
 人は、自信と共に成長し、失望と共に老いてゆきます。そして、その自信と失望の明暗を分けるのが、失敗に対する我々の観念です。失敗とは、自分の行動が世の摂理に合致しないときに起こる現象ですので、失敗すればそこから逆算して世の摂理を見付ける努力をしてゆけば良いのです。そして、自分を修正すれば、必ず成果は現れます。これが、古来より「失敗は成功の素」と言われる所以です。失敗したときに感じる苦や痛みは、我々に失敗の箇所や注意を喚起するシグナルなのです。つまり、人の人生は失敗し、修正し、前進しながら自分の観念が求める目標へと近づこうとします。これを、サイコ・サイバネティクス(目的指向型自動機制)と言います。

=強欲性は失敗の元……=
 私達人間の中には、この様に天が苦痛を通して我々に修正を促している(サイコ・サイバネティクスの機能を持っている)ことを、全く気付かない人たちが大勢います。その人たちは、心に強欲性が突出している人間です。
 そもそも人間は、自分も他者も大体同じ感性・感覚をもって生きています。つまり、自分が欲しいと思うものは大抵の人が欲しいのです。そして、天の法則はとてもシンプルにできているので、例外はありません。だから、人は失敗しながら成功へと自分の人生の舵を修正しながら歩みつつ、世の摂理を感じってゆくのです。にもかかわらず、自分だけが特別で、他者のことを気配りできないアンバランス人間が強欲の悪魔を自分の心に住まわせるのです。
 フランスの薬剤師、エミール・クーエは、「催眠の効果を生んでいるのは、催眠者が与える暗示ではなく、被催眠者の意識である」という、自己催眠の発見というを偉大な業績にもかかわらず、強欲の心がよぎり、催眠や自己暗示という天から与えられた心の法則を、ビジネスにしてしまいました。
 フランスで絶大な人気を得て、次はアメリカで自己催眠の理論と実践を広めようと渡米しますが、ここで大きな間違いを冒してしまいます。アメリカでの全てのスケジュールや権利をある興行師にまかせてしまったのです。この興行師は「まか不思議なセラピー」として、クーエの自己暗示を単なる見世物として利用した結果、クーエの「Day by day in everything……」はパロディーや語呂合わせ、冗談のネタにされてしまいました。ここでもまた、催眠は「怪奇現象」として扱われ、その進歩発展の大きな障害となりました。
 クーエは、弟子のチャールズ・ボードウィンの協力を得て、催眠を正確に体系化し、催眠メカニズム解明の枠組みを作ることに成功したにもかかわらず、アメリカで「怪しい見世物」扱いされ、その後50年もの長きにわたって進歩が止まったのです。
 人間の持つ強欲性や横着性が、多大な悪影響を及ぼした象徴的な事例です。人間は自分の観念が中心の生き物ですので、自分が理解できないことや自分に出来ない事柄は否定から始まります。こんな観念の感情的動きは、先ず相手や周りを否定することで、妙な快感を覚えるのです。
 「となりに蔵が建つと、己の腹が立つ」という人間心理も手伝って、エミール・クーエの名誉も長い間認められることはありませんでした。

この続きは、また来週……('-^*)/