M&Uスクール

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今週の喝 第275号(2010.7.26〜2010.8.1) この世は全て催眠だ(17)〜全ての催眠の究極は、自己催眠だ〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

この世は全て催眠だ(17
〜全ての催眠の究極は、自己催眠だ〜

 エミール・クーエは薬剤師でした。そして、その薬の効用以外に、患者そのものの思い込みや考え方が、薬効に大きく関与することを発見しました。いわゆるプラシーボ効果です。
 そこで、彼は自分に暗示をかけることによって、病気の最大の苦しみである「痛み」を緩和または解消できないかと考え、研究の据え「Day by day in everything……」の暗示を考えついたのです。彼は暗示について次のように説明しています。
 どんな種類の痛みでも、痛みを感じたなら一人になれる静かな場所に腰掛け(寝転んで)、目を閉じる。そして「この痛みは消える。この痛みは消える」と繰り返す。この言葉に反対する思考が、入り込む隙もないくらいに素早く繰り返す。反対する思考が入り込まないので、自分でも「この痛みは消える」と思えるようになる。頭の中に定着した思考は本人によって現実のものとなるので、実際に痛みは消える。もし痛みが戻ってきたら、同じ事を10回20回50回200回……と必要なだけ繰り返す。痛みに苦しんで一日中愚痴を言っているよりも、「痛みが消える」と言っている方がよっぽどましである。
 このような見解は、にわかには信じられないように思いますが、それは現在の医療のように麻酔や痛み止めが発達した世だから「?」なのです。当時のように、医者に掛かること、薬を飲むこと自体が、贅沢であった時代には、真剣にクーエの暗示は受け入れられました。
 その結果クーエは、実際に催眠の効果を生んでいるのは、催眠者が与える暗示ではなく、被催眠者(患者)の意識であると気付きました。患者が暗示を受け入れなければ何も起こらない。つまり、「全ての催眠は自己催眠である」と結論づけたのです。

=準備万端整えたら、自己暗示をかけ、後は気楽に……=
 私は以前、原因の分からない痛みや熱で救急病院に駆け込んだことがあります。その時、病院に到着し、受付を苦しい中で済ませたとたん、(まだ、診察も治療もしてもらっていないのにもかかわらず)痛みが和らぎ、眠くなってきたことを思い出します。きっと病院に到着してホッとし、その先、医者による診察、そして処方がなされ安心している自分を無意識にイメージしたのだと思います。まさに、自然な自己暗示がなされたのです。
 一般に我々人間は、テストを受けたり、音楽などのコンクールに出たり、スポ−ツ競技など他者による評価や勝負を決めるとき、また、ビジネスで取引を完成させるときなど、恐ろしいほどマイナスの思考が湧いてきます。「しっかりと覚えているだろうか。ちゃんと演奏できるだろうか。ミスをしないだろうか。クライアントは私の提案をのんでくれるだろうか」等々、この世には、自己否定する材料は山ほど転がっています。
 このようなマイナス思考に埋もれるヒマがあれば、準備をしっかりとして、その上にクーエの自己暗示を入れるのです。
 ひとつ注意事項!があります。自己暗示に懐疑的という人の動向を調べると、勉強もしていないのに「出来る出来る、必ず出来る」などと頑張って、その結果「出来ない」結果を生んだのです。練習もきちんとやり、準備万端整えた上でないと、いくら自己暗示を掛けようとしても、「意志反作用・努力逆転の法則」がはたらき、自分を制御することは出来ないのです。
 私は、(失敗成功を問わず)過去の体験は、未来の自分のあるべき姿に近づくエネルギーであると信じていますので、失敗体験は、その原因究明のために、また、成功体験はその愉快な感覚や歓び(=快)の覚知のために用い、来るべき成功時(その時が必ず来ると信じて)をしっかりとイメージしながら、クーエの一般暗示を自分にインプットしています。
 中学のとき、全日本吹奏楽コンクール前日に得津先生が我々生徒に言った言葉は、
「お前らほど、練習を重ねたガキはおらへん。しっかりと自身持ってステージに上がれ。優勝旗はわいらのモンじゃ!」
というもので、まさに素晴らしい催眠効果ですね。その時、もう既に優勝旗を手にしている自分の姿が浮かんできたのを思い出します。そして、結果はその通りになりました。
 医師、ウィリアム・W・クックは次のように語っています。
 「催眠を学ぶと言うことは、(なぜ成功するのかという)神秘と奇跡のベールをはいで、知識や経験を明らかにしてゆくことに似ている。その可能性は無眼に等しい。生活のあらゆる側面と関わっている。催眠家になるために何年も勉強する必要はない。この貴重な技術は私達全てが生まれながらにして持っている才能であり、才能を開花させるために必要なエネルギ−を注げばいつでも使うことが出来るのだ」

この続きは、また来週……('-^*)/