M&Uスクール

潜在意識の有効活用を教える学校”M&Uスクール”のサイト

今週の喝 第274号(2010.7.19〜2010.7.25) この世は全て催眠だ(16)〜心にもエントロピーの法則がはたらく〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

この世は全て催眠だ(16
〜心にもエントロピーの法則がはたらく〜

 このコラムをずっと読んでいただいている方から次のような質問を寄せられました。
 「私のやることは、日に日に良くなって行く!……このエミール・クーエの一般暗示そのものを、毎日毎日、20回言葉に出して唱えれば、己の潜在意識に大きなパワーが宿り、それが自分の人生をより豊かな成功へと導くと、この今週の喝では説いていますが、全く良いことが起こりません。先日などは、『よしやるぞ!』と、自分に言って聞かせて家を出た後すぐに、軽い接触事故を起こし、その為営業会議に遅れ、上司から大目玉を食らいました。このようなことが起こった日は、どうしても一日中気持ちが暗くなり、滅入ってしまいます。クーエの一般暗示も単なる気休めではないでしょうか」
ムムムッ……。我々人間がよく陥る疑心暗鬼の現象ですね。悪い事が起きた時に、「日に日に良くなって行く」などという実感が湧かないのは当然でしょう。
 しかし、この方のように、軽い接触事故や上司の大目玉を、「悪い」と決めつけて良いのでしょうか。
 我々は、自分の行為行動の内、その90%以上を無意識が司っています。言葉や行動のほとんどが頭脳を通さず、潜在意識の反応(癖)によって為されているのです。そして、我々凡人は常に「楽や得」を求める怠け性が潜んでいます。従って、放っておくと必ず何事も堕落の方向に進みます。
 成功には、成功方程式とも言うべき「形」があります。その形は、秩序や規律によって正しく保たれ、何もしなければ必ず崩れてゆくように出来ています。これがエントロピーの法則が心にはたらいた状態です。

=凶兆は、改善により吉兆へと変わる=
 エントロピーの法則とは、熱力学上の法則のことで、たとえば、熱いお湯と冷たい水をひとつのコップに入れれば、ぬるま湯になりますね。しかし、ぬるま湯をコップに入れても、熱い湯と冷たい水に分かれることがありません。また、コップがひっくり返ってコップの水がテーブルからこぼれ、コップが床に落ちて粉々になり飛散することはあっても、飛び散ったガラス片が周りに散らばった水を集めながら、テーブルの上にジャンプして元通りになることはありませんね。
 この例から、ここで用いるエントロピーとは「全体の総和は変わらなくても、使えるモノが使えないモノへと変化し、悪くなる」という意味合いなのです。
 つまり、人間の心は無意識、且つ横着なので、何もしないでいると楽な方、悪い方へと流れてしまいます。ここに秩序をもたらすためには、気付きが必要なのです。気付きがあって始めて人は成長するのです。逆説的に言えば、成長のためには気付かせてもらう何かが必要と言うことなのです。
 だから、軽い接触事故や上司の大目玉は、その気付きを喚起する切っ掛けと思えば、良い方向への転換の吉兆です。
 自分では苦しくて嫌なことも、時が経て後に振り返ってみると、その苦しさや嫌なことがあって始めて自分のエネルギーが出たと感じることがありますね。だからこそ、一見凶兆と思えることも、その事象に対して正面からぶつかり、その解決法を真剣に模索した時、思いも寄らないパワーを発揮するきっかけになるのです。
 は、我々人間をいつも成就させようとする力(=シントロピー:エントロピーの反対語)を与え続けています。神とは、このような力の存在のことです。つまり、全てのことが成就の方向に進んでいると思えばよいのです。その中での凶兆は、我々の軌道修正の材料であり、間違いを教えてくれているのです。
 だから、自分自身の感覚や観念が「イヤ!」と思っても、上の次元から見れば、それは成功へ一歩近づいたことに成ります。身体に於いても、胃が痛いのは、一般には病気であると見なしますが、よく考えると、「痛い=悪い」ということを示しているのですから、その痛さは「ここが悪い」と我々に教えてくれている良いシグナルです。従って、そこを治療すればよいのです。大自然界(天)が創った、苦痛によって我々に改善を促すシステムは、本当に良くできていると思います。痛さは我慢ならない……だから、ためらいなくその改善に着手します。それが「迅速」の最たるもので、無意識に冒す間違いや誤りを、何をさておいても着手するように仕組まれているのです。
 軽い接触事故は、自分の氣の弛みの結果ですので、このままでいると大きな事故を招きかねません。また上司の大目玉も、これほど気分の悪いことはありません。だからこそ、我々はそのような厄災に至らないように「氣合い」が入り、修正が行われます。
 「人間万事塞翁(さいおう)が馬」のことわざ通り、自分に降りかかる厄災は人間修正のための大いなる(苦を伴った)ワクチンなのです。ですから、自分の観念での良し悪しは捨て、「全てが、日に日に良い方に向かっている」というエミール・クーエの一般暗示は、やはり正しいのです。

この続きは、また来週……('-^*)/