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今週の喝 第177号(2008.9.8〜2008.9.14) 〜偉人に学ぶ……白隠禅師(29)〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

偉人に学ぶ……白隠禅師(29)

 白隠さんのコラムもいよいよ大詰めです。
幼少期の過敏とも言える感受性の中から、自ら仏門に帰依することを決め、その志を天がどこかで聞いていて白隠のもとに差し向けたかのように、素晴らしい多くの師匠に出逢い、また、早く宇宙の真理を悟りたいと焦り、自ら“禅病”を患った時も、白幽仙人と出逢い、そして、究極の治療法“軟酥の法”を伝授されるという、まさしく波瀾万丈の人生の白隠は、現代の成功の哲学や科学を地で行く人でした。
 呼吸・集中・イメージを三位一体にすることによって、我々の思念はエネルギーを生じます。氣のエネルギーです。
 腹式呼吸の基本形である“内観法”。これは仰臥禅(ぎようがぜん)でもあります。そして、心のモヤモヤをはき出し、心を空っぽにする“放下着”は精神を快適にする最良の方法でしょう。そして、イメージと呼吸法をクロスオーバーさせた“軟酥の法”は、現代でもサイモントン博士などによってその免疫力増大が証明されています。
 白隠禅師の教えの根底には、人の心の波立ちこそ不幸の根源であるという悟りがあり、己の心の平穏のためにも、坐禅は欠かすことの出来ない最良の方法だと説いているのです。
 「とにかく一度座れ」と言わんばかりに、「一座の功を為す人も、積みし無量の罪ほろぶ」と、一度座っただけでも、その人間が犯した罪はなくなるから、たった一回で良いからやって見ろと促しているのです。

=白隠禅師・坐禅和讃4=
 どんな人間も(善人も悪人も)、自分の心が安寧であれば、自分の心を乱して迷い悩み、人の迷惑や悪行に走ることは決してありません。大切なことは、行為や行動の司令塔である「心」が、何に反応し、どう反応し、どこまでの許容量があり、どこでオーバーフローするか、現代流に言えば、いつ切れるかはその人間の心の在り方で決まります。
 武士道で「短気・立腹」を戒めるのも、この心の許容量がその人間の価値を決めるからです。従って、白隠禅師は自分の心がどのようになっているかを一度で良いから心静かに見直してみる事が大切であると、力説するのです。
 どんな人間も、おちついて真剣に自分の所業(過去や自分の指針)を振り返ると、その間違いに気付き、その気付きによって改善にまでこぎ着けたなら、歓びは自ずから訪れるのです。そうすると、自分のやってきた所業の辻褄の合わないことなど恥じ入ること間違いありません。これが自分の心に「二度と間違わないぞ」と言う決心を促し、廉恥心(れんちしん)を育ててゆくのです。

 因果一如の門ひらけ 無二無三の道直し
 無想の想を想として 往(ゆ)くも帰るもよそならず
 無念の念を念として 歌うも舞うも法(のり)の声
 三昧無碍(むげ)の空ひろく 四智円明(しちえんみよう)の月冴えん

 あなたの運命を作っている原因と結果をしっかりと知りなさい、自分だけが楽や得をし、満足をしてもどうにもならないと言うことが分かったら、そういう考えをやめましょう。心はそもそも空っぽなのです。そこに生きる途中で、色々と執着を入れてきただけです。その空っぽである(邪気がない)ことを忘れずに生きていると、極楽に往くにしても地獄から帰ってきたとしても、大した問題ではないのです。
 あなたの心がそのような執着から離れれば、歌ってもまた舞ってもごく自然に振る舞えます。あなたの心の中にある何のこだわりも持たない広々とした空に、本当の智恵が月のように冴え渡り輝きます。

 人は本当に愚かな生き物だと思います。それは、人のことはしっかりと見極めることが出来るのに、自分のことになると全く見えずボロボロの状態であることがよくあるからです。中国の賢人老子も「目は百歩も離れた遠い物陰を見ることが出来ても、己のマツゲは見ることが出来ない」と、人の心を目に例えて教えてくれます。全ての心の乱れは、自分の中にある欲・執着心から出ているのであって、決して外(他人)からもたらされるのでないのです。全て自分の心の様相が自分自身を波立たせているだけです。
 いい加減につまらない独り相撲はやめましょう。

  明鏡止水の心こそ 人生の至宝なり


この続きはまた来週……('-^*)/