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今週の喝 第173号(2008.8.11〜2008.8.17) 〜偉人に学ぶ……白隠禅師(25)〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

偉人に学ぶ……白隠禅師(25)

 白隠禅師は、自分に対しては非常に厳しく純粋な禅を求めましたが、人には「どうすれば人々にやさしく普及できるのか」ということに一生を捧げた人です。
 そんな白隠禅師のすばらしさをご理解頂けたでしょうか。我々に呼吸とイメージを組み合わせた「軟酥の法」を夜船閑話(やせんかんな)という小冊子にまとめたのも、我々民衆に病の原理とその対策を分かりやすく解説し、難病・奇病・不治の病と言われるものでさえ、自分の中から発した邪のエネルギー(悪いイメージ)が原因であると喝破し、積極性と集中力でもって「軟酥の法」にあるイメージ療法を行えと説いているのです。それはつまり、「病気をはじめとする厄災は、自分の中に全ての原因がある。自分の生き様を変えよと言っているのです。
 白隠は、このように実際に病の克服法を伝授しながら、尚かつ論理的に、しかも誰もが分かり、またそれを継続して想念に維持してゆく事が出来るように、色々なお経や和讃(日本語のお経)を作ったり編集したりして、我々に心構えの大切さを説いています。その中でも、中国で非常に霊験あらたかなお経とされている「延命十句観音経」を読経し、そこに書かれている内容をイメージして、自分の心に染み込ませるように指導しています。
 この「延命十句観音経」は、たった十句で出来ているお経で、仏教のお経の中でも二番目に短いお経です。ちなみに、一番短いお経は「アン」だと聞いております。
(これがお経かどうかは専門の方の解説に委ねます)

=延命十句観音経(えんめいじゆつくかんのんきよう)=
観世音(かんぜ−おん) 南無佛(な−む−ぶつ)
 観音さま、私はあなたを信じ全てをお任せします。 

与佛有因(よ−ぶつう−いん) 与佛有縁(よ−ぶつう−えん)
 私達は、仏さまと同じところにいて、
 同じようにご縁を頂いております。

佛法僧縁(ぶつぽ−そ−えん) 常楽我浄(じようらくが−じよう)
 そして、仏法僧のご縁によって、常楽我浄の四徳、つまり、
 常に色あせることのない幸せが、我が身に浄らかな
 悟りの世界を賜りますように。

朝念観世音(ちようねんかんぜ−おん) 暮念観世音(ぼ−ねんかんぜ−おん)
 私は、仏さまと同じ理智と慈悲の心で世の人々に救いの手をさし
 のべておられる、観音様を感謝の心で朝に念じ、夕べに念じます。

念念従心起(ねんねんじゆうしんき) 念念不離心(ねんねんふり−しん)
 一念一念、観音様を心より念じ、
 決して観音様の御心と離れることはありません。

 この短いお経は、我々の心の中は同行二人(どうぎようににん)……つまり観世音菩薩の智慧がすでに在り、人間の我(が)を捨て去ったときに、その姿をはっきりと己の心中に見いだすことが出来ることを示唆しているのです。観音様の別名<観自在菩薩>とは、菩薩心(慈悲と理智)はすでに自分の中にあることを肌身で観ずる(発見する)という意味です。 
 我々の身体は、生老病死の苦に晒され、その心は、愛別離苦(あいべつりく)、求不得苦(ぐふとくく)、怨憎会苦(おんぞうえく)、五蘊盛苦(ごうんじようく)の嵐が吹き荒れております。しかし、これらを乗り切るために必要な平常心は、この四苦八苦の苦しみを乗り越えて初めて自分のものにすることが出来るものであり、この明鏡止水の平常心の獲得こそ、人間最大の幸福であることは確かです。
 お金や名声を欲しいと思い、それが手に入らないことで苦しむ人がいます。しかし、その苦は手に入らないことが原因ではなく、欲する心を執着させてしまったところが原因なのです。「猫に小判」の人には、何の意味もありません。つまり、人の心の方向性はその人間の我欲と苦しみを生み出す要因であることに気がつきます。
 人の心には「欲しい」という感覚もありますが、それを手に入れた後「飽きた」という心も、衆生は何度も経験したことでしょう。
 自分の人生をちょっと振る返ってみると、苦しみで満ちたこの世を生きるには、苦が色々なことを我々に教えてくれていることに気が付いた時、やがて、苦痛でなくなります。そして、我々は自分一人の力で生きることが出来ないことを知り、そこに「縁」という摩訶不思議なエネルギーに支えられ、また生かされていることを実感します。これが、他を生かしてゆく事こそ自分が生かされるという「自利利他」の働きです。

 我々はいつも、苦だ楽だといちいち事象に振り回され、心が乱れていますが、この世に起こる全てのことは、苦も楽もみな、自分の心を清浄化するために天が我々にプレゼントしてくれた壮大な伽藍配置であると気付けばよいのです。

   苦楽一体、六根清浄


この続きはまた来週……('-^*)/