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今週の喝 第986号(2024.04.15~04.21)〜「頭真っ白!」の初体験。〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
成功への道しるべ!この世は全て催眠だ727

「頭真っ白!」の初体験。

 私がNHK大阪放送局でディスクジョッキーにスカウトされたことは、以前このコラムに書いたことがあります。「合縁奇縁」を絵で描いたような出逢いで、この仕事を貰ったのです。
 私が初めて“講演”の仕事を頂戴したのは、ヴィエール室内合奏団で知り合ったピアニストの浅井芳子先生のお宅に行った時のことです。浅井先生のご実家は、その当時、既に廃業していらっしゃいましたが、奈良の大和郡山で「友雀(ともすずめ)」という名の造り酒屋さんでした。そして、夕食を一緒にというお誘いがあり、ご両親や弟さんと共にとても美味しい夕食を頂戴しながら、とても楽しいひとときを過ごしました。
 それから暫くして、お父様から直(じか)に私に電話があり、「地元のロータリークラブで卓話をして欲しい」という依頼がありました。私は小学校4年生の時に、初めて学級副委員長に選ばれ、その時、月曜日の朝一番の学校朝礼で「今週の目標:恒にハンカチ鼻紙を持って清潔を心がけよう!」と、唯これだけを言うように、担任の匂梅先生から指導を受けたのですが、そんなことをする体験は初めてでしたので、初めは軽く考えていたのですが、日が逼るにつれ、身体の中から不思議な感覚が湧いてくるのです。
 何か落ち着かなくて、どんなことにも集中できず、家に帰ってご飯を食べているときでも、「今週の目標」の言葉が自然に脳裏に浮かぶのです。そして布団に入っても、その事が頭から離れません。そしてやって来た10月最初の月曜日、いよいよ朝礼台に上る日になりました。何がどうなったのか分かりませんが、下腹の辺りがモゾモゾしてトイレ(大)に行きたい感覚です。
 そして、いよいよその時がきました。朝礼台に上る階段(確か5段ほど)がもの凄く長く感じ、そして一歩上る毎に心臓がドキドキ・バクバクするのです。そしてお腹が張ってきて、身体の中から総てのものがどこかに行って消えてしまった感覚です。こうして、朝礼台の最上段に辿り着いて途端、私の頭の中から「今週の目標」は綺麗サッパリ、頭からデリートされており、その高みから眺める風景は人、また人の波です。そして、朝礼台の上では全て忘れてしまって、全身が引きつる感覚のまま、何も言わず降壇したのです。その後のことは、何も覚えていません。後で分かったことは、完璧に「アガッタ!」のです。

 

  ★★成功回路、そのスイッチを恐れずに入れよう!★★

 この体験がトラウマになって、演奏家になったにもかかわらず、ロータリークラブからの“講演の仕事”を引き受けてしまいました。
 今もそうですが、講義や講演の前には、必ずこの時の光景がフラッシュバックします。この体験があったからこそ、「腹が据わる」感覚を逆に修得できたのだと思います。また、この時の光景が自分の中から湧いてこない時は、無理矢理にでも思い出すと、ファイトが湧いてくるように思い、やる気(モチベーション)がお腹の底からモリモリと湧いてくるのです。
 私たち人間の身体や脳の中には、物事をやるときの“回路”のようなものがあり、その“スイッチの入れ方”を見つけ出すかどうかが、人生の設計図のように思います。また、あの小学4年生の朝礼台の感覚そのものが、私の人生の分岐点であったように思えたとき「お腹の底から、自信と勇気がモリモリと湧いてくる」のです。生意気なようですが、人の越えなければならない一つの峠を「克服」したのでしょう。
 あのような、「地に足が着かない体験」こそ、本当によき思い出で、「克服」ということですら、そこに越えるべきモノがなければ試練・修得になりません。子供時代なのでそんな意義は知る由もありませんでしたが、あの感覚(ハラハラ・ドキドキ・ソワソワ)を思い出すたびに、「初心に帰る」心境を思い出すようになった時、「今日は素晴らしい日なのだ!」と思え、「今日も“GOOD DAY”がやって来た!」と思うようにしている故に、自己評価で申し訳ありませんが、「私は、どんな些細なことも舐めない!」ことを確認するのです。
 “緊張緩和”はとても大切なことですが、これが“馴れあい”になったらすべてお終いです。この事に注意を払って現在(いま)まで丁寧に生きてきた感があり、今も「初心忘るべからず!」だけは“朝礼台の感覚”と共に私の身体に染み込んでおります。
 このようにトラウマを持ちながら、講義・講演やコンサートと人前に出る仕事を熟せるのも、“朝礼台を克服”したからだと信じております。我が父も存命中に、「出征するときに一番いやだったことは、町の皆さんの前での挨拶!」と良く言っていました。(我が父は、私から見てもお喋りや演説の名人でした)これも、やはり自分自身の弱点を克服した証だったのでしょう。親子のDNAは確実に継承されていますね。

 

  この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/