M&Uスクール

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今週の喝 第770号(2020.1.20~1.26)この世は全て催眠だ(511)〜日本仏教界の大御所の下で、勉強!?〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる

潜在意識ってどんなもの? 

この世は全て催眠だ(511

日本仏教界の大御所の下で、勉強!?

 訳も分からず、行く当てもなく、何の意味も無く門を叩いた大学は、京都北大路にある、浄土真宗大谷派が運営する“大谷大学”で、私のように、全くの落ちこぼれを入学させてくれた有り難い慈悲の塊のような学校です。大谷大学文学部社会学科に入学したのですが、私の大学入学当時は「社会学」と言う分野はまだ新しく、ドイツ人のマックス・ウェーバー博士が、ちょうど日露戦争の頃に執筆した「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」という名著が起源となって、社会は如何にして成り立っているかと言うことを研究する学問です。
 と、まぁ偉そうに言ってますが、当時は全く何をするのか分からず、大学が受け入れてくれたから行ったという、モチベーションどころか何の主体性もない学生でした。
 そして、教養課程でのクラス分けがなされて、櫻部健(はじめ)教授のクラスに入りました。あごひげを丁寧に揃えたおじいさんのクラスでしたが、後に(大学卒業後)分かったことですが、この先生は、我が国の浄土真宗のみならず、原始仏教の大御所的存在の教授だったのです。
 何も分からない私は、オーケストラに入団(後日お話しします)した時期に、あまりにも不熱心なため必須教科である仏教学のテストが欠点のため櫻部教授に呼び出されました。そのとき、失礼にもワイロとして私のコンサートチケットをプレゼントして、辛くも留年を免れたことがありました。今から思い返すと、櫻部先生はまさに慈悲深い方で、こんな狡い私のチケットを受け取って下さり、京都会館まで聞きに来て下さったのです。何も知らないということは、傍若無人……本当に恐ろしい振る舞いも平気でやってしまうものです。先生の授業は月曜日第1校時(午前9時)から一時間半ですので、甲子園の我が家から通学していた私は、6時半には家を出発しなければなりませんでした。ほとんど遅刻、もしくは代返で済ませていました。

 

★★ピグマリオン効果こそ、人を育てる至宝!★★

 櫻部学級の出席簿は、あいうえお順で、一番が三重県津市にある浄土真宗高田派に所属する東海寺の息子・新(あらた)光晴(みつはる)くん、そして二番が私・梅谷忠洋、そして三番は岐阜から来た大野知資(ともし)くんです。この二人は私と違ってすこぶる頭脳明晰で、ウイットもありクラス分け初日から意気投合し、しょっちゅう昼食を共にしました。そして、臨機応変に月曜日第1校時に私の顔が見当たらないときは、“代返”をしてくれていたのです。
 彼等は、無欲恬淡(てんたん)とした性質で、私が大学に入った時にも失わなかった音楽への情熱を感じ取ってくれて、約50年を経た今も親交があります。
 仏教界では大御所の教授、そして、私の一途な気持ちを優しく労り見守ってくれる友人達に囲まれて、落ちこぼれ感に苛まれていた私の心も、徐々にほぐれ、学校近くを流れる鴨川の河原でフルートの練習も始めました。当時は西宮吹奏楽団から拝借している楽器を私物化して使用していましたが、市吹の指揮者で先輩の石川学先生も我が中学の恩師・得津武史先生もみんな私を温かく見守って下さいました。
 人は、その人間の持つ良いところを認めてくれる人達に出逢うことで、能力は伸びてゆき、心にやる気と勇気が湧いてくることをこの時、実感しました。後に潜在意識の研究に入ったときに、「人を動かす3つの方法」が在ることを学びました。それは、
 ①威嚇による強制
 ②代償行為
 ③ピグマリオン効果
です。
 ①の「威嚇による強制」権力によって威嚇し、指示に従わない者には罰を以て対処する方法です。奴隷制度がそれの典型で、常に管理や監視が必要で、双方とも恐ろしい心労が襲ってきます。
 次の②「代償行為」は、現在の経済社会のほとんどがこの形態を執り、仕事の成果に見合った給料を支給するものです。これは、欲望を育み、本来の人間愛を破壊する場合もあります。
 そして③の「ピグマリオン効果」ですが、ギリシャ神話(後日話します)から名付けられました。人の性質には良いところと悪いところが混在していて、その良い部分を気付かせることによって、やる気と勇気が出て勢いが付くのです。そして、やがて自分の悪い部分に気付いたとき、それを自らの手で克服しようとする活力が湧いてきます。
 まさに、私は大谷大学に訳も分からず入学したことで、このピグマリオン効果の恩恵を受け、多くの素晴らしい人達に囲まれ、元気を取り戻してゆきました。このように人生が勢い付いてくると、自分を取り巻く周囲も活性化してきます。そして20歳のゴールデンウィーク開けに、思わぬ仕事が入ってきたのです。
 
この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/