M&Uスクール

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今週の喝 第756号(2019.10.14~10.20)この世は全て催眠だ(497)〜明日は君たちのもの〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる

潜在意識ってどんなもの? 

この世は全て催眠だ(497

明日は君たちのもの

      たかなれブラス  サトウハチロ-(詩)

先生のどなる声が
トランペットの中にとびこむ
フルートの中を通りぬける
クラリネットにかけた指に響く
サキソフォンをムチャクチャにたたく
どなられても何でもない どなられる度に進むのだ
先生はどなってひっぱりあげるのだ
怒鳴り声にうなづいて 吹く吹く吹く ならすならすならす

休みは正月の三日間だけ
あとは、くる日もくる日も練習練習
朝は他の生徒が登校する前 放課後はくらくなるまで
おかげで夕星と仲よくなった

きびしいから進歩する 進歩するからおもしろくなる
おもしろさはゆとりとなり 自信となる
音がひとつになると微笑(ほほえみ)でいっぱいになる
からだはうれしさで丸くなる

たかなれブラス たかなれブラス
先生の笑い声がバスーンにからまる
ホルンがよろこびに胸をゆする
トロンボーンが空気をはづませる
ああ そうしてそうして みんながみんなが はずんでる

 

★★「感動と笑顔」の中から湧き出る創作欲★★

 この素晴らしい詩「たかなれブラス」は、サトウハチロー先生が、NHKの番組「明日は君たちのもの」のために書き下ろしてくださったものです。
 サトウハチロー先生は、終戦後、希望と気力を無くしていた日本人に「リンゴの唄」(歌:並木路子 作曲:万城目正)を作詞し、勇気と希望を与えた大作詞家です。
 この番組は、1968年(昭和43年)12月に放送され、それこそ全国の中学生、先生、また父兄から、積み上げると50㎝以上の厚みになるほどの反響の手紙がNHKと今津中学に寄せられました。
 その内容は、いずれも感動、感激したというもので、吹奏楽に詳しくない人達にまで「今中は吹奏楽のメッカ」と言わせしめるようになりました。サトウハチロー先生自身、この詩をNHKより依頼され、粗編集を観た途端、インスピレーションが滾々(こんこん)と湧いてきて、一気に書き上げられたそうです。中でも、生徒達が叱られても怒鳴られても、あっけらかんとして、へこたれず先生の要求に食い付いてゆき、そして、先生に「よっしゃ!」と褒められた瞬間の生徒の“笑顔”が創作意欲を沸き立たせたとおっしゃってました。いつの世も「感動と笑顔」人の情念を刺激し、人生で一番大切な“歓び”をもたらしてくれるのです。私たち人間は、この「感動と笑顔」いつも座右に置くために毎日努力するのだと私は思います。
 そして、番組の終盤は、全日本吹奏楽コンクール優勝を祝ってささやかな茶話会が開かれ、卒業してゆく先輩から次世代をになう後輩に、これからのクラブの在り方や希望を伝え、最後に、練習風景の録画から半年が経ち、来年レギュラーメンバー(2年生)として活躍する1年生だけで行進曲「幸せなら手をたたこう」を、3年生への壮行の辞として演奏しました。
 NHKもしゃれた編集をするもので、6月には箸にも棒にもかからないような演奏だった1年生が、レギュラーメンバーとなる直前の12月の技量を、この最後を飾る壮行の音楽で表現したのです。「練習することは、上達すること!」それが如実に分かる編集でした。
 そして、私が指揮した1年生だけの演奏……拙い中にもシッカリと今津中学吹奏楽部の将来を暗示する上達ぶりを見せ聞かせることで、我々今中吹奏楽部員には声援を、視聴者には期待を、教育的観念からは「努力は必ず報われる」ことを知らせたのです。
 そして、この演奏をバックに、サトウハチロー先生の「たかなれブラス」が先生の直筆でテロップが流れ、アナウンサーの素晴らしい朗読で番組は余韻を残して終わります。

 昨今では、“金儲け”こそ「感動と笑顔」をもたらす権化のように思っている御仁が増えておりますが、私は、“感動と笑顔”を生み出すエネルギーこそ、生活(お金や人間関係)に“ゆとり”をもたらす要素だと思っています。この頃を振り返ると、生きるとは、夢と希望、感動と笑顔、努力と達成に、自分の全身全霊をかけることだと、私は今も確信するのです。

 

この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/