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今週の喝 第754号(2019.9.30~10.06)この世は全て催眠だ(495)〜得津先生から、新一年生の指導要請!〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる

潜在意識ってどんなもの? 

この世は全て催眠だ(495

得津先生から、新一年生の指導要請!

 昭和41年(1966)11月21日……私が中学3年で全日本吹奏楽コンクールに敗れた(2位)翌日に訪れた、宮城県松島の瑞巌寺は、私の子供時代との決別点でした。子供時代とは、私の概念で言うと、何事もやり直しができる世界のことを意味します。この時点で、世の無常を突きつけられたことは、今になると本当に素晴らしい想い出です。
 通常の人間であれば、大学受験にたとえ落ちても、また翌年に頑張ろうということも可能です。しかし、それも年月が経るごとに挫折に変わる人も、また合格を勝ち取って克服する人もいるでしょう。私は、この挫折を14歳の秋に味わい、得体の知れないこの無常に対するリベンジ心のようなものが、私の思考行動に灯を点けたのです。
 そして、がむしゃらに音楽にのめり込んでゆきました。そんな折、我が今津中学吹奏楽部は、2度目の敗北(2位)を重ね、私の敬愛する得津武史先生をして、
 「もう自信がない。止めじゃ!
と捨て台詞(せりふ)を吐く始末です。それを聞いた園田秀雄校長から、
 「得津君、あんたからブラスを取ったら何も残らへんで。グズグズ言わんとサッサと次の生徒を育てるんや!
と叱咤激励され、今度はなりふり構わず周囲のみんなに、この屈辱を雪(すす)ぐ決意を伝えていました。そして、私にも
 「もう一回、一から出直す。梅忠よ、助けてくれるか……!
とオファーが来ました。私は、恩師のこの真摯な態度に感動し、
 「何でもやります。具体的に何をしたら良いんですか?
と、尋ねたところ、
 「来年入ってくる新入部員の指導をしてくれ。やがて戦力となるガキやから、そのベースを叩き込んでくれたらええんや
という要請で、高校2年の4月から、新1年の指導に入りました。彼等は初めて楽器を手にし、音譜を読める子など誰ひとりいません。しかし、ゴールデンウイーク明けの定期演奏会では、新一年生だけでマーチを3曲披露する初ステージが待ち構えているのです。

 

★★熱心さは周囲を巻き込む★★

 あの頃は、得体の知れない悔しさから音楽に没頭し、月水金は我が市立西宮高校のコーラス部の指揮者として指導し、火木土日は今津中学の1年の指導を物の怪に憑かれたようにやっておりました。
 そんな折、NHKテレビが、もしかしたら今年の今津中学は全日本吹奏楽コンクールの首位を奪還するかも知れないと察知し、定期演奏会が終了した5月半ばから、11月末まで長期の取材を受けることになりました。
   番組タイトル明日は君たちのもの
という学校紹介の番組で、土曜日の午後6時から放送のNHK総合テレビの30分番組です。当時の中学生達がよく見ていて視聴率もそれなりの成績を上げていた人気番組です。
 この年、今津中学が選んだ自由曲は、リヒャルト・ワーグナー作曲、楽劇「さまよえるオランダ人」序曲です。この曲は、ベートーヴェンに感化を受けたワーグナーが第九交響曲の冒頭のように第3音を抜いた5度の空虚な、しかし力強い和音の強奏で波に翻弄される船を表し、木管楽器の半音階スケールが嵐の海を表現するという中学生にはとても困難な楽曲です。
 得津先生は、敢えて今まで誰も挑戦してこなかったこの曲を、自分の命運と重ね合わせて選曲したのです。まさに、背水の陣ともいうべき覚悟でこの年のコンクール首位奪還を狙っておりました。その勢いの波動がNHKに届いたかのように、番組製作が半年掛かりで行われたのです。
 そして、6月のある日、2,3年生のコンクール・レギュラーメンバー達の撮影が終わったテレビ・クルーのディレクターが、別の音楽教室から吹奏楽の合奏の音が聞こえてくるのを不思議に思い、得津先生に尋ねたところ、一年生だけで来年に向かって練習していること、その指導をしているのが高校生の私(梅忠)であることなど、詳しく話しました。すると、ディレクターとカメラマンが、「(先生ではなく)先輩が後輩の指導をしている」ことに大いに興味を示して、突然、部屋に入って来ました。
 その頃の私は、一旦(音楽に限らず)集中すると、周囲のことを全く気にせず、自分のペースでそのことに傾注してゆく性質でした。それに、ディレクターの方はピン!ときたのでしょう。レギュラーメンバーが練習する裏で、1年生達が卒業生の指導の下、練習を重ねてゆく。吹奏楽名門校の次世代を背負うメンバーはこのように育成されてゆくのを取材することになりました。まさに青天の霹(へき)靂(れき)、私と一年生達も出演することになりました。こんなことがあって、私は、
 「自分が熱心に物事に傾注していれば、どこかで誰かがそのことを感じ取り、支援や協力者が現れ、やがて成就に至る!」
と信念化するようになり、そこに何か特別な力が働いていることを感じたのです。

 

この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/