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今週の喝 第747号(2019.8.12~8.18)この世は全て催眠だ(488)〜「人買い」は自己像(セルフイメージ)の転換に……!〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる

潜在意識ってどんなもの? 

この世は全て催眠だ(488
「人買い」は自己像(セルフイメージ)の転換に……!

 先回は、「好きこそ物の上手なれ」vs「下手の横好き」と、諺は相反する内容があることを示しました。
 そして、私たち今津中学校吹奏楽部は、当時は2,3年生の男子部員だけで40名編成の吹奏楽団を構成することが必達であったため、部員一人に対して新入生一人の勧誘が義務づけられていたことをお伝えしました。この義務(ノルマ)を果たせない者は、音楽室(3階)の窓拭き掃除(罰則)をノルマ達成まで続けさせられました。もし、この罰則がなければ、私の心は、今まで育ってきた家庭環境のままに「アカンタレ忠洋」だったでしょう。
 得津先生は、この新入生勧誘(人買い)をただノルマとして生徒に与えただけだったなら、みんなはあんなにモチベーションを上げることはなかったと思います。
 新一年生を勧誘できた日には、合奏練習の前に、みんなの前で発表し、その勧誘法やその時の気持ち(達成感)の話をさせて、先生自らしっかりと労(ねぎら)ってくれました。そして、決まって
 「ハワイ行きのパスポートをGetできて、おめでとう!
と夢と希望をレギュラーメンバーに与えていました。私たちは、窓拭きから解放されるだけではなく、夢のハワイ旅行の実現に向けて確かな手応えを感じたのです。後にそのハワイは、鳥取県の羽合(ハワイ)温泉だと夏休みには分かるのですが、得津先生は、ご自身の死の直前まで、
 「吹奏楽部のメンバーを連れてハワイに行き、嘗(かつ)て、日本人が戦争に負けたアメリカ人の前で、“軍艦行進曲”を見事に演奏し、一矢報いる
という夢を忘れなかった人でした。いつの日にか“羽合温泉”が、“憧れのハワイ”になるように願いつつ、大阪人一流のギャグに託して、それを有効活用していたのです。
 この時、私たち2年生は、人格的に脱皮昇華したのです。それは、「夢と希望を抱いて向かえば、自分で自分のことを“○○の人間だ”と思い込み、本当は出来ることも“出来ない理由”をつけて、やらないでおこうという横着な心を捨て去り、やる気満々の精神に変えることが出来る」という心の成長を体験させたのです。即ち、「セルフイメージ(自己像)の転換」を計ったのです。

 

★★要するに、気迫の問題なのだ!★★

 そして、先生自身も来る年来る年、毎年同じように新入部員を精鋭部隊に仕上げ、そして立派になったら卒業させることの繰り返しに負けそうになることもありましたが、ご自身、
 「敵国で軍艦行進曲をアメリカ人に聞かせ、拍手喝采をさせる
という夢を持ち続けることで、煉獄(れんごく)の苦しみを希望に変えて、「自分に克つ(克己)」為の糧としていました。
 こんな時、クラブの主流となる3年生は、「憧れのハワイ」のインチキ性など毎年の大嘘(ギャグ)であると分かりきっているので見向きもせず、自分達の学年が為すべき使命……今津中学校吹奏楽部の伝統を受け継ぎ、次世代にバトンタッチする。そのために、先ずは新入部員の確保から……!一人でも欠員があると今中サウンドに陰りが出ることを熟知しているので、真剣に“人買い”に勤しんだのです。
 私も、3年生の時には、この責務を肌で感じ、積極的に新一年生の勧誘に邁進した結果、「染殿(そめどの)温泉」という銭湯の息子・中西昌史(まさふみ)君の勧誘に成功します。彼も又、私にとって、とても大切な節目をもたらしてくれる一人となりました。彼は後に、高校野球で有名な「報徳学園高校」に進み、そこでも吹奏楽部に入部し、大阪経済大学卒業後、大阪府警察本部音楽隊にフルートを手に入隊し、音楽のプロの道を選びました。彼も又、私が吹奏楽部に勧誘したことが起因になって、その人生を決めたのです。
 このようにして、学年が上がるにつれ、伝統的に精神が育まれて行く気風は、“世代責任”という形で学年毎の連携を作り出し、そこに“結果を産む”ことでしか表現できない(決して後戻りできない)義務感を育んでいったのです。伝統とは、このようにして継承されてゆくのです。

 このコラムの冒頭に、「好きこそ物の上手なれ」vs「下手の横好き」と言った相反性の諺について書きましたが、私の見解は、“上手・下手”はその人間の情熱如何(いかん)で決まると思っています。松下幸之助翁を始めとして世界の偉人達が「成功者とは、成功するまでやり続けた人間を指す」と喝破するのは、それに対する“熱望”の度合いにあると私は思います。
 我が今津中学吹奏楽部がもたらした奇跡とは、何の選択もできず、特別な境遇にもいない、しかも、すこぶるガラの悪い地区・今津に、音楽への情熱と、子供達の可能性を信じきった人間(得津武史先生)が只一人いただけで、偉業は為されると言うことです。つまり、「成功哲学」は、「出来るか出来ないか?」ではなく、身口意(行動・言葉・心)を総動員して「やり切るか諦めるか?」という“気迫”に掛かっており、一度決めたら、それを達成するまで、自分の能力に合わせたスピード(速度)で継続してゆくことによって完遂されることの証明なのです。

 

この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/