M&Uスクール

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今週の喝 第741号(2019.7.1~7.7)この世は全て催眠だ(482)〜苦しみは「タイミングと出逢い」に気付くカンフル剤〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる

潜在意識ってどんなもの? 

この世は全て催眠だ(482
苦しみは「タイミングと出逢い」に気付くカンフル剤

 高校1年生……人間が成長するプロセスで、最も純粋にあらゆる事を人生脚本に書き込む思春期に、今思い返せば、昔の軍国少年、またヒトラーユーゲント(少年ヒトラー隊)のように、何があっても勝利することこそ最重要と刷り込まれてきた私は、自分の置かれた環境と相まって、益々その度合いが過激になっていったのを思い出します。
 以前にも書きましたが、音楽に目覚めた幼少期に、父の熱望でもある会社後継のための圧力と、自身の心に芽ばえた芸術への憧憬のダブルバインドから、楽器にその情熱を全て注ぎ込むようになり、本来なら抵抗していたかも知れない得津武史流のスパルタ教育を是として、必死に過ごした中学時代でした。それが、理論ではなく感情でもなく、潜在意識にシッカリと刷り込まれ、完璧に自分自身の“精神”となって、思考・行動の基板を形作っておりました。
 今では不思議としか言いようのないタイミングで、私の人生行路のレールは敷かれ、絶妙な出逢いがあったように感じます。このように言うと私が特別な存在のように聞こえますが、現在、潜在意識の作用を皆さんにレッスンしていると、この「タイミングと出逢い」は誰に対しても起こっているのですが、そこに“苦しみ”を感じなければ、ただただ普通の人生と思ってしまうのです。強いて言えば、人生の“苦しみ”とは、「タイミングと出逢い」に気付くためのカンフル剤とも言えるでしょう。
 私は、音楽の魅力に取り憑かれると同時に、それを上回るような外界の障害(親子関係や吹奏楽部でのイジメetc.)がその音楽が元でやって来たのです。これは、“因縁”としか言いようがありません。音楽に魅了されていなければ、親から見れば素直に言うことを聞き、また、日本一を狙う吹奏楽部であろうと入部しなかったでしょう。さすれば、私の体験した“苦しみ”は受けなかったように思います。もちろん、また別の苦がやってくるように人生は出来ているとは思いますが……。

 

★★音楽の神髄は何処に……!★★ 

 何はともあれ、私の子供時代の人生に於ける出逢いと指向が、私の生き様を決定づける精神を形成したことだけは確かです。この頃流行(はや)った歌「王将」に、「♫明日は東京に出て行くからは、何が何でも勝たねばならぬ」という歌詞が私の心意気の全てでした。
 そして、自分が主流となって歴史を作り上げる覚悟の中学3年生の全国大会での敗北は、そこに優勝奪還の闘志をたぎらせ、それが自分の性質に拍車を掛けて、それが全ての動向に表れていたように思います。そして次の年、万全の態勢で臨んだ全国大会に、またもや敗退(全国二位)したのを契機に、メラメラと私の心に挑戦心と復讐心を燃え上がらせました。
 後に、当時のことを豊島第十中学出身の大阪市音楽団マネージャーと一献傾けながら話したことがありましたが、お互いに、その年に優勝をさらった出雲第一中学の存在は全く眼中になかったことを振り返りました。後で、出雲第一中学の演奏した、ヨハン・セバスチャン・バッハ作曲トッカータとフーガニ短調」を聞いて、私は背筋が凍りました。40名の生徒達が、片寄哲夫先生の指揮の下、まるで一台のパイプオルガンのように一糸乱れぬ演奏をしています。私たちは宿敵だ、打倒〇〇だと言って心が固着していると、そこにだけ目を奪われてしまい、不意を突かれるが如く思わぬ強敵を迎えることを学びました。
 「またも負けたか八連隊……!
戦前、旧日本軍の時代、大阪の兵隊が商人や町人から第四師団第八連隊に徴募されたことから、ソロバンより重いものを持ったことがないと揶揄され、ひいては大阪人が「ひ弱」であるかのようにからかった俗謡です。
 私たち今津中学のために精魂込めて編曲をして下さった大阪市音楽団の元コンサートマスターの木村吉宏先生が、二連敗した時に思わず涙ながらにこの俗謡を口にしたのです。
 木村吉宏先生の吹奏楽アレンジは、「秀逸」の一言!管楽器の全てを知り尽くし、見事なサウンドを醸し出すその技量は、私の最高のお手本として、先生の書かれた編曲譜を見て、穴が開くほど分析研究しました。木村先生が腕によりを掛けた最高のアレンジにも関わらず、また、前年同様、生徒達は本当によく頑張ったにもかかわらず、勝利の女神は我々を見放しました。
 「今津中学もこれまでか……」と誰しも頭を過ぎりました。しかし、この時、私は前年の仙台大会で我々に最悪の点数を付けた審査員・山田一雄先生の「ジプシーの心……」の言葉が浮かんできました。
 私が教えて貰った音楽……コンクール必勝法は「リズム・メロディー・ハーモニー」の音楽三要素をキッチリとすれば良い!でしたが、これ以外にもっと何か奥義があるに違いない!と、私はこの時心に囁く声を聞きました。これが分からないと、またぞろ敗北の憂き目に遭う。それは何か……?この連敗を機に、私は音楽の神髄とも言うべきSomething Great(何か)を探す決意をしたのでした。

 

この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/