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今週の喝 第733号(2019.5.6~5.12)この世は全て催眠だ(474)〜一念通天!また、フルートが吹ける〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる

潜在意識ってどんなもの? 

この世は全て催眠だ(474
一念通天!また、フルートが吹ける

 私が音楽家になった切っ掛けは、その人生に於いて大きく分けて3度ありますので、追って話してゆきます。
 中学入学式の日に、吹奏楽部のマーチ「こんにちは赤ちゃん」の演奏で新一年生が迎えられたときのあの感動はもちろんですが、それは父との確執を乗り越えて、子供から少年に移行した成長の一ページで、その頃は自分がプロの音楽家になるなど、夢にも思っていませんでした。
 プロへの前哨戦とも思える出来事は、高校の合格発表の日、得津武史先生のもとに報告しに行った日の出来事です。
 「梅忠、おまえ西宮吹奏楽団に入れ。ムラマツのフルートも買(こ)うてある
と、市吹の常任指揮者、石川学先生と一緒にフルートを手渡されたことです。
 「一念通天!」、音楽への情熱が、私に思い通りのフルートを与えてくれたのです。しかも、新品の楽器です。こんな夢のような出来事が起こるとは……この時より、人生には運命的な何かがあることを感じ始めました
 そして、家に帰って自分の部屋に入ってまたまた驚きです!
あれだけ、私が音楽に傾注するのに反対していた我が父が、「涙の仙台コンクール」の執筆を機に、あらゆる事に協力してくれるようになり、またぞろ雷が落ちるかもと思いながら、恐る恐る買ったヴァイオリンも何も言わず、合格発表の日に私が予(かね)てより最も欲しがっていた、高級なステレオがデンと鎮座しているのです。それまでは、携帯で持ち運べるレコードプレーヤーで色々と音楽を聞いていたのですが、父からの合格祝いでした。もちろん一番最初にレコード針を下ろしたのは、曰く因縁のレコード「ドヴォルザーク作曲・交響曲第9番“新世界より”」でした。

 

★★僕もこんな音楽を作りたい!★★ 

 私の部屋で、フルボリュームで聞いたサンヨー電気製の高級ステレオから流れる「新世界・第四楽章」を聞く内、小学校6年生の夏休みに音楽の田中信雄先生が聞かせてくれたあの空気を思い出しました。今も明快に覚えているのは、この時、「僕もこんな音楽を作りたい!」という感動の中から生まれた意志です。
 夕食時、両親に礼を言い、得津先生からフルートを与えられ、石川先生から「コンクールの敵討ちをいっしょにやろう」と言われたことなど、思いっきり饒舌に話したのを覚えています。
 今の私を知っている方には信じられないかも知れませんが、私は訥(とつ)弁(べん)で一番苦手なことは、相手との会話でした。その私が思いの丈を思う存分両親に話し、音楽への思いを一所懸命に語った初めての日でした。
 
 人の感動には色々あるでしょうが、素晴らしい音楽を聴いて、先ず第一は「もっと聞きたい」と思う人65%)、次に「こんな音楽を演奏したい」と思う人30%)、最後に「自分もこのような音楽を作りたい」と思う人5%)の3種類に分かれます。私はこの最後のタイプでした。
 素晴らしい音楽を残した作曲家達は、どんな感性で、どこから素晴らしいメロディーやフレーズを作り出すのか……自分が口ずさむメロディーは、いつもどこかの誰かが作った音楽の模倣です。これでは「もっと聞きたい」レベルにしかなれません。こんなことを、ステレオの前に座って考えている内に、「作り出す」には心のエネルギー、それも生半可では駄目で、もの凄いエネルギーが必要だと感じだしたのです。
 私が今中時代にコンクール出場のために、独自の今中サウンドを作るのに、大阪市音楽団(当時)コンサートマスターの木村吉宏先生は、たった45人の吹奏楽を素晴らしいサウンドを醸し出すのに40段ものスコアを書いていたのが、神業のように感じられました。
 スコアとは、各楽器それぞれが演奏する全ての音を書いた総譜のことです。自分が「曲を作りたい」と思わなければ、木村先生のこの努力や才能、そして、根性に気付くこともなかったでしょう。ベートーヴェンの「英雄交響曲」の頭の「ジャン!」という音を鳴らすにも、吹奏楽では40段全てに音を埋めなければなりません。それも楽器全ての特性を知り尽くした上で、最も効率よく響かせることが肝要なのです。この世界は、知れば知るほど、恐ろしく深い世界で、尚且つ膨大な知識と知恵が必要で、生半可な勉強や経験では修得できません
 こんなことを考えている内に、市立西宮高校の入学式があり、一年四組・上田智彦先生(生物担当)のクラスになりました。そして、二週間が過ぎ、ゴールデンウイークを控えたあるホームルームの時間に、私たちの学級歌を作ろうという話が持ち上がり、クラスのみんなは気軽に、「梅忠、お前日本一の吹奏楽部にいたんやから、作れや!」とクラス全員から指名され、全員一致で簡単に決議されました。作詞は、将来小説家志望のクラスメート・新田純子さん。
 本当にみんなは作曲という大作業をいとも簡単にできるように丸投げしてくるのですが、これも因縁……!「作りたい」と思った一念が、このような事象を私に運んだのだと今は思います。

 

この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/