M&Uスクール

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今週の喝 第719号(2019.1.28~2.3)この世は全て催眠だ(460)〜「どうすれば出来るか」だけを考えよ!〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる

潜在意識ってどんなもの? 

この世は全て催眠だ(460
「どうすれば出来るか」だけを考えよ!

 私が潜在意識の研究をやり、能力開発やその手法を生活や経営に活かすことを思いついたその切っ掛けは、やはり我が師・得津武史先生の思想と教育方針にそのルーツを見て取れます。
 先生の口癖……それは、
 「出来るか出来ないか考える暇があったら、どうすれば出来るかを考えよ!
 「他人(ひと)が3時間練習したら、お前は4時間やれ!
 「人の能力というものは、そんなに大差ない。ましてワシ等は40人のチームや。助け合えば、必ず出来るようになる!
 これらは、今から考えると人それぞれが持つ“セルフイメージ”をプラスの方向に導く金言集のエッセンスです。このような思想を代表するような出来事がありました。
 大阪のABC朝日放送が、西宮の下町今津で金字塔を打ち立てた我が中学をTV取材にくるというので、得津先生は我々3年に、インタビューされた時の答え方を指導していた時のことです。先生は私に、
 「今津っちゅうたら何処にあると聞かれたら?
そこで私は、
 「ハイ!甲子園球場の西2㎞ほどの所にあります
と答えると、いきなり天ぷら棒が飛んできて、
 「アホ!今津中学校の東2キロの所に甲子園球場はあるんや。分かったか!!
 一見無謀な先生のように感じるでしょうが、その真意は常に自分達の学校や町に誇りを持つことを叩き込んでくれたのです。甲子園球場という高校球児憧れの場所も、一所懸命に練習に励む我々からは、“one of them”……すなわち取るに足らない存在だという訳です。

 

★★「楽と得」を求める方法などこの世に存在しない★★ 
 20世紀の心理学的発見の最大級のものは何かと問われたら、私はアメリカの整形外科医のマックスウェル・マルツの著書「幸福への挑戦」にでてくる“セルフイメージ”の発見だと思います。
 セルフイメージとは、「自分自身が自分のことをどのような人間だと思っているか」いうイメージのことで、訳すと「自己像」です。言い換えると「思い込み」ということも出来るでしょう。
 しかし、マルツ博士は自分の職業(整形外科医)から、その「思い込み」に大きなエネルギーが秘められていることを発見した第一人者です。この発見に至る詳しいことは、また後日お話しするとして、私たちの住む「文化果つる地」「掃きだめの町」と当時の住民自らが卑下し、実際にそうであると思い込んでいた町の中学校が、一人の音楽教師の出現で「日本一」の栄誉を獲得したのですから素晴らしい……!の一言です。
 スポーツの個人競技や音楽での独奏は、それ相当の個人に内在する才能が大きく作用しますが、野球やサッカーなど団体競技のスポーツ、また、オーケストラや吹奏楽のような大人数でのアンサンブルなどは、「助け合う、フォローし合う」ことでメンバー相互の欠点をカバーできます。また、人間は、雰囲気や伝統、またブームに乗ると予想以上に能力を発揮することも心理学では明らかにされています。
 ここに「やれば出来る!」ことを“人一倍の練習”で体験させてゆく得津先生の手法は、生徒達に自信と勇気を喚起させる最もポピュラーなものです。人は、他者よりもシッカリと努力をすれば秀でることは論理的にも体験的にも承知しているのですが、如何せん、人間の底辺に「楽と得を求める」性質が潜んでいるため、出来るだけ労力を使いたくない(怠けたい)と全身全霊で思っているのです。それは単純に、大いなる矛盾の何ものでもありません。しかし、分かっていてもやめられないのが人間の悲しい性ですので、それを「合理化」と称して、みんなを巻き込んでゆくのです。
 先週お伝えしたように、楽器を上達するにはシッカリと時間を掛けて練習に励む以外に方法はありません。もちろん、“演奏のコツ”は上級者より教えて貰うことが出来るでしょうが、そこにもまた、縁や出逢いが介在しており、より以上に「上達したい。上手くなりたい!」と思う心が“気=オーラ”を放ち、それが他力(空)と共振現象を起こして“師友”を招き入れる(出逢う)のです。
 従って、「楽や得をしよう、合理的に会得する方法はないものか」と考える人は、実際にそのもの自体を好きではないのではと、私は感じます。本当にその物事を好きになると言うことは、上手くなることだけではなく、上手くなる過程(=苦)も後で思い出してみれば楽しい思い出なのです。
 以前も書きましたが、森田公一とトップギャランの「青春時代」の詞にあるように、「後からしみじみ思うもの」なのです。そのようなことを人生(生まれや育ち、戦争体験)の中から悟りきった先生が、得津武史先生だったのです。しかし、先生はそのようなことは一切分からずに、無我夢中で自分自身が体得したことを、生徒達に刷り込んでゆきました。

   この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/