M&Uスクール

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今週の喝 第718号(2019.1.21~1.27)この世は全て催眠だ(459)〜ホンモノのPTA、ここに完成!〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる

潜在意識ってどんなもの? 

この世は全て催眠だ(459
ホンモノのPTA、ここに完成!

 先週は、「他力本願」「自力vs他力」と少々ややこしい話をしましたが、単略的に理解するならば、キリストさまがおっしゃった「求めよ、さらば与えられん!」。仏教詩人の坂村真民先生の言葉では「念ずれば花開く」となります。
 つまり、与えられるのを待つのではなく、自ら積極的に努力すれば、必要な「縁」も「物」も手に入り、必ずそれらが良い結果を生み出すということです。他力とは、このように人間が心の底から願い、努力も厭わないくらいの熱心さの中に、思い通りの花が開花する摩訶不思議なエネルギーなのです。
 このエネルギーをベースに、我らが得津武史先生は、西宮の今津という(先生曰く)「文化果つる地」の地域性やそこに住む人間達(環境)の生き様を見事にくみ取り、それに自分自身の思いの丈をぶつけて喚起し、人間の心に誰しも眠る廉恥心と名誉心を揺り起こしたのです。ここに父兄(Parent)と先生(Teacher)の絆(Association)が結ばれ、その中で子供達は育まれていったのです。まさしく“PTA”の機能が正しく働き、「情操教育の場」が完成したのです。
 こうして、地域住民の方々の外郭支援のもとに、学校内では得津先生の生き様やバイタリティーに共感した多くの先生方の協力を得て、我が今中吹奏楽部は心置きなくコンクールに向けて猛練習に励むことができました。
 そして、私たち今津中学校吹奏楽部を多くのマスコミが取り上げ、得津先生の「スパルタ教育」、それに追随する「生徒達の根性」、それを育てた土壌が何の変哲もない「下町」で育まれていることに重きを置いた取材で、「何事もやれば出来る」ことの権化として全国に紹介されました。かく言う私も、この点が現在の私を作り上げたと思っています。

 

★★「吹ける」「吹けない」は誰が決める?★★

 テレビでは、いつも得津先生の罵声に子供達が抵抗しながらも、必死になって楽器にしがみついてゆく姿が放映され、今では考えられない光景ですが、ミスをした生徒の頭を指揮棒代わりの「天ぷら棒(菜箸)」で、バシッと叩くシーンが使われました。今思い出しても、あの天ぷら棒の洗礼は痛かった……!しかし、私たちは天ぷら棒が頭に降ってくる原因を分かっていました。それは、単純明快な論理でした。
 我々は、全員で同時に演奏する箇所(音楽用語で“テュッティ”)ですら、得津先生は一人ずつ吹かせ、キッチリと演奏できない者に天ぷら棒の雨を降らせたのです。私の経験の中で、上手く演奏できない(吹けない)箇所があり、どうしたら上手く吹けるようになるのだろうと頭で考えておりました。その時、以前に先生が、
 「お前ら、上手いこと吹けないところがあったら正直に先生の所に言うて来い。おせたる(“教えてやる”の関西弁)
という言葉を信じて、楽器と楽譜を持って職員室の得津先生の机まで行ったことがあります。
 「梅谷忠洋、上手く吹けないところがあるので、教えて貰う為にやって参りました
と、給食後に先生に申告すると、先生は私の左耳をグーッと自分の口元に引っ張って、内緒話の声でたった一言!
 「練習せぇ!
 私は、先生の下に行けば何か特別な方法を教えて貰えるとばかり思っていましたので、少々腰が抜けたような感覚にとらわれ、心の中では“当たり前のこと言うなよ”と思いながら、放課後の教室で自分のパートを練習したのですが、中々上手く吹けません。そこでまたまた素直な気持ちで、先生に、
 「やっぱり上手く吹けません!
と申告すると、
 「よし分かった。後で校長室に来い
緊張しながら楽器と楽譜を持って校長室のドアをノックし、
 「梅谷忠洋、入ります
と入ってゆくと、園田秀夫校長と得津先生がコンクール出場の打ち合わせで談笑していました。得津先生は私の顔を見るなり、校長先生に、
 得津先生「こいつ、上手いこと吹けへんところがある言うてまんねん
 校長先生「得津先生、吹けなかったらどうなるのですか?
 得津先生「そら、コンクールに負けまんがな
 校長先生「それはいけません。我が校の伝統にキズが付きます。吹き方をレッスンしてあげて下さい
 得津先生「うめちゅう。聞いての通りや。校長はんの許可もろたで。さぁ、足を半歩開け、そして、奥歯をぐっと食いしばれ!
その後何が起こるかは、察しの良い方はお分かりでしょう。そうです。特別に精神のこもった天ぷら棒の渾身の一発が私の頭上に炸裂しました。
 得津先生「明日になって、上手いこと吹けなんだら、もう一発落としたるよってな……
私は校長室を退散するなり、あんなに強烈な一発をまた落とされてはかなわないと、必死になっておさらいをしたところ、次の日には、まさに他力が働いたようにシッカリと吹けるようになっていました。
 後日、上杉鷹山の座右の銘
 「為せばなる、為さねば成らぬ何事も。成らぬは人の為さぬなりけり
という言葉を知るのですが、人間は「出来ない」と思う方が、やらなくて済んで“楽”であるが故に、自分を甘やかし、出来ない自分を演出することを実感したのです。これは、今中吹奏楽部、いや、得津武史先生の教育基本方針であり、みんなの心の奥底に眠るエネルギーを呼び起こす最短距離だったのです。

   この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/