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今週の喝 第709号(2018.11.19~11.25)この世は全て催眠だ(450)〜名人揃いのメンバー〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる

潜在意識ってどんなもの? 

この世は全て催眠だ(450
名人揃いのメンバー 

 吹奏楽コンクールは、吹奏楽連盟の決めた課題曲と自分達の力量に合わせた自由曲の2曲を、課題曲の第1音が鳴ってから自由曲の最後の音が鳴り終わるまで12分以内に演奏するという規約があります。それを1秒でもオーバーすると失格になるという、とても厳しいものでした。
 そして、自由曲の選曲は私たち今津中学校吹奏楽部の場合、先生の趣味も加わって、劇的な出だしで、最後は華々しく終わることが条件でした。(音楽が華々しく終わる時、指揮者は万歳しているような格好をしているので、今津中学では「万歳で終わる曲」と言いました)また、曲の中頃でタップリと歌う(感情を込める)メロディーがあるものを選びます。そして、その年のメンバーの力量をフルに発揮でき、彼等の楽器の独奏のある曲が望まれます。それまでの選曲は、
 ベルディー   「シチリア島の夕べの祈り」
 ドヴォルザーク 「新世界交響曲第四楽章」
 チャイコフスキー「スラブ行進曲」
 ベルリオーズ 「ファウストの劫罰よりラコッツィー行進曲」
 サンサーンス 「英雄行進曲」 etc.
 どの曲も、得津先生好みの今津流万歳三唱曲でした。そして、我々の学年は生意気なようですが、優秀なプレーヤーが各パート毎におり、なかなかのものでした。手前味噌ですが、フルートは私(梅谷)、クラリネットは武田、平、野田と粒が揃い、特にバスクラの池田は幅の広い印象的な低音を出しました。アルトサックスの小野、テナーサックスの藤崎、バリトンサックスの笹部もキッチリとしたハーモニーを醸し出し、木管楽器は万全でした。また、トランペットも山本、横山、灘井が完璧に揃い、ホルンも光岡、安部、そしてトロンボーンは藤岡、中島が統括していました。低音部のユーフォニウムの大村、山下、チューバの千種、桜尾の四人が見事に我々高音楽器を支えてくれました。打楽器群も阪本が抜群のリズム感でリードしてくれました。

 

★★人生は poco a poco !★★
 このような優秀なメンバーが揃うと、自由曲の選曲の幅も広がります。そして、春休みの終わりに近付いた4月初旬、この年の自由曲が決まりました。
 🎶フランツ・リスト作曲「ハンガリー狂詩曲第三番」
この曲は、重厚な低音の五度の和音から始まり、ハンガリー独特のシンコペーションのリズムで出来た勇壮な第一テーマに続き、フルートの分散和音をあしらったソロに続いて、緩やかなジプシー音階のむせび泣くようなメロディー“ラッサン”へと続きます。そして、またまたフルートの変奏的ソロの後、今度はクラリネットの雄大なカデンツァを経て、曲調は明るくなり、ダンス音楽(フリスカ)が楽しげに奏でられ、曲は徐々に盛り上がり、最後はテンポもボリュームも最高潮に達して華々しく“万歳”で終わります。
 私はこの楽譜を目の当たりにした時、全身に雷が落ちたような衝撃を覚えました。それは、曲中の重要な切り替わりの場所に、中学三年にしては困難と言わざるを得ないようなフルートソロ(独奏)が出てくるのです。またラッサン(緩やかなジプシー音楽)からフリスカ(楽しいダンス音楽)への切り替わりのところのクラリネットのカデンツァ(次への導入の為の楽句)は、これ又3オクターブに及ぶ分散和音を無伴奏で奏でます。
 フルートは私、クラリネットソロはセカンドクラの平が担当し、この曲の見せ場でした。言い換えると、一つ間違えば吹奏楽部員全員を失意のどん底に落としてしまう箇所でもありました。今その楽譜を見ても、身震いするくらい難しいパッセージ(楽句)です。
 私は、この箇所を練習するに於いて、得津先生から
 「初めから、その曲のテンポで吹こうとするな。ゆっくり正確に練習して、一日にほんの少しずつテンポをアップしてゆけ!
と、指示をされました。そこで、私は、
 「よし、この箇所を1ヶ月掛けて、インテンポに持ってゆくぞ」
と、自己目標を設定し、最もいけないことは焦る事なので、楽譜には、
 「お前は出来る。焦りは禁物!
と、大書したのを覚えています。
そして、イタリア語で pocp a poco accel.(ポコ・ア・ポコ=だんだん早く)と記しました。この時より、私は何を成すにも、“初めはゆっくり、そして、だんだん早く”をモットーに事に当たることを旨としたのです。曲の速さというのは、テンポ(速度)のことと思いがちですが、心が落ち着くと、速い曲も不思議なことにゆっくり感じるのです。そして、4月も終わりのゴールデンウイーク前には曲想のテンポでシッカリと吹けるようになりました。
 ハンガリー狂詩曲第三番は、私にとってそれからの人生の乗り越え方を示唆してくれた素晴らしい金字塔となったのです。

   この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/