M&Uスクール

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今週の喝 第708号(2018.11.12~11.18)この世は全て催眠だ(449)〜さて、今年のメンバーの出来は?!〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる

潜在意識ってどんなもの? 

この世は全て催眠だ(449
さて、今年のメンバーの出来は?!

 嘗て、得津武史先生の一代記を記した書籍「天国へのマーチ」にも、昭和41年に3年生であった私たちの学年のことが多く書かれています。

 全日本吹奏楽コンクールでは、3年間連続優勝すると次の1年はコンクールの招待演奏です。私たちの学年が3年生の時は、2度目の3年連続優勝(6年連続)をかけたとても重要な年でした。
 これまでにも書いてきたように前年の長崎大会の時は、得津先生はじめ部員みんなも、「今年はもしかしたら、豊島第十中学に負けるかも・・」と思うくらいまとまりに欠いた年でした。中学生のことですから、子供一人一人の力量にはそんなに変わりはないように思いますが、何となく横の繋がりが覚束なかったのです。しかし、奇蹟的に素晴らしい演奏がコンクール本番で実現したのです。
 得津先生は、後年、この年のことを思い出して、誠に冷や汗ものであったと述懐していました。ですから、我々の学年に寄せる期待度も異常なほどでした。また、我々もその期待に呼応し、みんな積極的に練習に励み、意気揚々としたメンバー作りに貢献してゆきました。
 そして、3学期も終わりに近付いた頃、大阪市音楽団団長の辻井一太郎先生の編曲による選抜高校野球大会テーマ曲が決まり、編曲者自ら楽譜を持って我々今中の“今年の出来”を観察に来られるのです。その年のテーマ曲は、坂本九さんのヒット曲「ともだち」です。
 そして、メンバーにその場で新アレンジの楽譜を配り、どこまで初見(楽譜を読む能力)がきくか、書かれている音符をどこまで適切に解釈するか、などをチェックされるのです。これは、新メンバーにとって、また得津先生にとっても試金石ともいえる緊張の一瞬です。

 

★★ピグマリオン効果の実地体験★★
 この日のことは、私の記憶に美しい一条の光として鮮明に記憶に残っています。
 辻井先生のタクトが振り下ろされた瞬間から、初見にも関わらず、新メンバーの「自分達の時代の始まりだ!」という気迫みなぎる演奏が始まりました。もちろん、初見ですから完璧な演奏とは行きませんが、辻井先生の意図通りの演奏を必死になってついて行ったことだけは、今も私の指先やその場の空気、音楽室の響きと共に45名が一つになれた実感が甦ってきます。そして、一通り曲が終わったとき、辻井先生は得津先生に、
今年のメンバーは、粒の揃った精鋭揃いやね!よい成績残せるよ
と、ニコニコされておっしゃったのを聴き、私はこの世に生まれ、初めて“誇り”という感動と快感が身体を電流の如く走り抜ける感覚をおぼえました。後に、それが「歓び」という人間の内側から湧き出してくる最高の感覚であることを知るのですが……。
 「これを感じるために今まで一所懸命に笛(フルート)を吹いてきたんだ
という感覚的目的意識に目覚めた瞬間でした。そして、細々(こまごま)とした箇所を注意され一通り練習が終わったとき、辻井先生は、
 「君らはこれからの吹奏楽を担(にな)う人間だと言うことを忘れずに、しっかりと練習に励み、日本の吹奏楽をリードして行ってや!
 (部員一同大きな声で)「ハイ……!
と、素晴らしいお褒めの言葉を賜りました。その時の得津先生の満面の笑みは、今も私の脳裏から離れません。3年生が卒業して、2年生と1年生だけのうららかな春休みのこの一日を、私は懐かしくも鮮明に覚えています。
 「褒められる」という感覚は、これほどまでに人間をやる気にさせるものなのです。後に、潜在意識の働きを皆さんにお伝えし、人間の持つ底知れないエネルギーを開発する学校M&U SCHOOLを開校することになる動機は、既にこのようなところにあったのかも知れません。

 得津先生は、スパルタ教育で、しょっちゅう天ぷら棒を生徒の頭に落としていたので、私たちはあだ名を“どつく先生”と付け、親しみを込めて呼んでいたのは、ひとたび良い行いをすると、素晴らしい褒め言葉で、心よりの信頼をしてくれたからに他なりません。このギャップが、我々生徒達のより固い団結と困難に向かう姿勢になっていったのだと思います。正しく、「ピグマリオン効果」を私は中学2年生最後の春に体験しました。
 中二の春休み、こんなことがあって、いよいよこの年は6度目の吹奏楽日本一の快挙に向けて、コンクールの自由曲を選ぶ時節がやって来たのです。

   この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/