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今週の喝 第697号(2018.8.27~9.2)この世は全て催眠だ(438)〜今津中学名物「お弟子制度」〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる

潜在意識ってどんなもの? 

この世は全て催眠だ(438
今津中学名物「お弟子制度」

 奴隷平民神さま……これは何を指すと思われますか?
今津中学校吹奏楽部では、一年二年三年を評してこのように呼んでおりました。その所以は、三年生は絶対であり、その下に二年生が神の言葉を継承し、それを伝統として次世代に伝える。一年生は、訳も何も分からなくても良い(頭で理解する必要は無い)。しかし、有無を言わずそれを受け継ぐ事だけに専心する!(主人に仕える奴隷のように……)
 これが、今中伝統の「お弟子制度」です。以上のように書くと、悪魔の強制収容所か、パワハラを生み出す運動部系の往年の制度のようです。この「お弟子制度」は、得津先生の軍隊経験から編み出されたもので、それはそれは恐ろしい制度でありました。
 「神さま」として格段の地位を有する三年生になれば、楽と自由を得られると思いきや、そうは問屋が卸さず、一年生の出来が悪いと二年生に命令して扱(しご)かせます。また二年が出来が悪いと、今度は得津先生自ら、そのパート全体の醜態を三年生が、全員の前で恥を思い知らせるのです。ここで間違ってはならないのは、恥をかかせるのではなく、自分のパートの不甲斐なさでコンクールに負けるかも知れないという“危機感”を三年自ら認識させるためのものでした。
 この制度は、その機能を後輩育成に簡潔で素晴らしい成果を出す反面、ナーバスになりすぎた三年生が、責任の重圧に耐えられなくなり、その矛先を下級生に向け、神さまの権利を義務の励行なしに下の者に行使することがしばしば起きました。簡単に言うとパワハラです。
 そこで、運動部のような、時には暴力を伴う上下関係が成立してゆきました。運動部と吹奏楽部の相違は、運動部は三年vs二年の上下関係はクラブ全体で起きますが、吹奏楽部は各パートごとという小さい単位……言い換えるとより身近な距離で起こることです。これは、良い関係の時はとてもスムーズに意志の疎通が出来ますが、一旦、拗れるとその距離が近い分恐ろしいことが起こります。
 
★★一歩間違えば、統合失調症!★★

 それでも、クラリネットは、(吹奏楽の場合)コンサートマスターと1番から3番クラまで各3人ずつで合計10名です。ですから各学年5名ずつの配置です。トランペットは6名、トロンボーンは4名と上下の人数は大体対等でした。ところが私のフルートパートは、私が一年の時は、三年1名、二年2名、そして私の計4名です。吹奏楽のレギュラー出演は、ピッコロ、第一フルート、第二フルートの計3名、そしてあと1名が補欠です。ですから、私が二年生になった時は、三年2名、二年“私”、一年2名という編成になり、上下関係が人数的にアンバランス状態でした。
 この状態が、私の人生に於いて最大の不幸を作り出し、“挫折”“退部”という逃げの姿勢が脳裏をかすめ、砂を噛むような日々をもたらしました。
 皆さんも想像してみて下さい。
あなた一人に対して上司が二人いて、その上司は互いに自己主張が強く「自分が正しい」という観念で生きているのです。そして、お互いに対抗心剥き出しで、Aが右というとBは左というような間にあなたは置かれています。その理不尽さに抵抗して両名の指示に従わなければ、二人は同年の誼(よしみ)で歩調を合わせ、あなたに“神さまの権利”を剥き出しに暴力的に圧力を加えてくるのです。
 こんな状況の時、あなたはどのように我が身の置き所を決めますか?
 現に、私は毎日のようにこの二人の諍いに煩わされ、全く生きる望みのない日々を過ごしました。だから、中学生や高校生のイジメやそれによる自殺の心情は、私に当時の自分を思い出させます。
 単純な事例では、Aが
梅谷、腹減ったからパン買ってこい!
と命令するので、パンを買いに行って帰ってきたら、Bは
練習サボってどこへ行っとった
そこで、
Aに頼まれたので……
と答えると、
練習とパンとどっちが大事や
とたたみ掛けてくるのです。Aに荷担すればBに虐められ、その逆も同じ結果です。ここに暴力が加わるのですから「お弟子制度」を、私は恨めしく思いました。
 後に(M&U SCHOOL創設後)、このような状態を具体的に解説した「ダブルバインド理論」という論文に出会います。著者は、グレゴリー・ベイートソン博士。イギリスの精神医学医で、このダブルバインド理論により統合失調症(精神分裂病)をコミュニケーションに基づく見地から説明した学者です。ああ恐ろしや!一歩間違えば、私も統合失調症を患っていたかも知れません。
 この論文を読んだ時、当時、私は知らないうちに「ダブルバインド」からの脱却法を見いだしていたことに気付きました。

   この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/