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今週の喝 第695号(2018.8.13~8.19)この世は全て催眠だ(436)〜「革命は辺境の地」から始まるのは何故?〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる

潜在意識ってどんなもの? 

この世は全て催眠だ(436
「革命は辺境の地」から始まるのは何故?

 革命は辺境の地から始まる」と言われるように、明治維新も薩摩、長州、土佐、肥前という日本では片田舎からその火の手は上がっています。その中でも薩摩(鹿児島)の中で加治屋町(現在の鹿児島市の中心地区)という下級武士達の暮らしていた甲突川下流の小さな地区に、西郷隆盛大久保利通、日露戦争において日本を勝利に導き、「陸の大山、海の東郷」と称された大山巌東郷平八郎、第16・22代内閣総理大臣である山本権兵衛達が輩出されました。
 先般もこのコラムに書きましたように、人は人を信じるより疑う人間の方がはるかに多く、その原因は“欲望”にあるからです。人だけが持つ“欲望”は、単純に考えれば、枯渇することで誘発されると思いがちですが、よくよく「欲望にまみれた人間」を観察すると、裕福になると同時に、その生活を元の枯渇状況に戻したくないという思いが湧き、以前にも増して、欲望は増大します。つまり、人間の欲望は持てば持つほど増大し、止め処を知らなくなるのです。
 日本人は、戦後の焼け野原から二度と過ちを繰り返さないと決意し頑張ってきましたが、それが、功を奏して豊かになるに従って、世界から見ると「東洋のユダヤ人」と称され、エコノミックアニマル(動物)化してゆきました。
 先ほども言ったように、辺境の地は総じて貧乏です。貧乏な人間は、周囲の人間と肩を組み足並みを揃えて協力体制を維持しなくては生きてゆけません。そして、近隣の人間達を尊敬し、彼等に感化を受けることで、貧しいが故の連帯感(=信じあう心)が生まれてゆきました。これらから私の得た結論は、「富裕は疑念を生み、貧乏は協力を促す」という法理です。
 世界(ヨーロッパ)から見ると、日本は極東(きわめて遠い所)にある辺境の地でした。だからこそ明治維新は達成され、欧州の半分以下の期間で世界列強の仲間入りが出来たのです。

 

★★苦は“災い転じて福と成す”エネルギー源★★ 
 「貧しさ」は互いに助け合わなければ、それを克服することは出来ません。人間が互いに助け合い信頼し合うことから、「三人寄れば文殊の知恵」と呼ばれるように良いアイデアが生まれます。それは、死活問題であるが故の脳回路の育成が功を奏するからです。つまり、苦しみはそれから脱しようとする人間の知恵を誘発する起爆剤なのです。苦の克服こそ、我々のSCHOOLが提唱する、サイコ・サイバネティック(Psycho Cybernetics)=[前進し、失敗し、修正する]のパワーの源なのです。このように、貧乏と富裕が糾える縄の如く繰り返す事は、心理的には「結束」と「疑念」が繰り返し、その結果、歴史の変遷が起こると私は考えます。
 私たちの街、通称[掃きだめの街・今津]も“文化果つる地”であるが故に、そこに起爆剤的人間(得津武史先生)の出現があったのです。
 土壌(街)が荒廃していると、先ず大半の人間には負け犬根性が生まれ、やさぐれます。しかし、世の中は何事も中途半端のまま状況が維持されることはありません。行き場の無くなった状況が続くと、天の指令のようにそれを改革する反動形成のエネルギーが湧いてきます。それは人間だけに留まらず、寒冷地の野菜がその厳しい気候を乗り越えるために、栄養素を蓄えようとするエネルギーが増大し、コクのある味わいを持つようになるのと同じです。これが「革命は辺境の地から!」のエネルギーで、我が今津中学校吹奏楽部もそんな反動形成のエネルギーが芽生え、それが得津先生によって育まれたのです。
 私自身も、もし我が父・郁郎が理解のある優しい人で私を甘やかしていたなら、果たして現在の負けん気の強い私に成長していたかどうかは分かりません。もちろん、私に甘い父がいたら、その時はとても楽ちんであったでしょうが、現在のような負けん気魂が出来たかどうかは分かりません。
 得津先生が、今津中学に赴任してきたのは、吹奏楽部の創始者である鈴木竹男先生が阪急少年音楽隊の隊長として退出される交代要員でした。そして、得津先生の性格自体が今津の地域性とマッチした故に、先生の心もプラス思考(オプティミズム)の方向に芽吹いていったのです。
 そして、勝ち負けで決まるスポーツのように単純明快に、どんな事を誰が言ってこようが、「我らはコンクールで優勝する」と、その照準を定めたのです。これで「目標」がハッキリしました。そして、何のために吹奏楽コンクールで優勝するのかという「目的意識」(Raison d'être、レーゾンデートル)も明快でした。
 「やれば出来る!」ことを、子供達に教え込み、それを起爆剤にして、下町今津の人間の負け犬根性を払拭し、彼等に“誇り”を持ってもらう感化にありました。もっと高い視点から見れば、DNAや血統を超えたところに「人間の能力は、鍛えれば伸びる」ことを証明したことになります。
 ですから、今苦しみを抱えているあなたは、そこから逃れようとすればするほど苦しみは増大する確率が高くなります。山中鹿之助のように「天よ、我に七難八苦を与え給え」の心境で、苦に挑戦してゆく心意気が、「災い転じて福と成す」が如く、人生を前進させるのです。

   この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/