M&Uスクール

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今週の喝 第676号(2018.4.2~4.8)この世は全て催眠だ(417)〜 人は、真に一長一短!〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる

潜在意識ってどんなもの? 

この世は全て催眠だ(417
人は、真に一長一短!

 私は、いままで本当に多くの人達と接してきました。そして、そこで感じたことは、「人は一長一短」……良いところがあれば、悪いところも混在する。つまり強いて言うと、
 「みんな平均化すると、“平等”ではないか
ということです。このようにいうと、
 「頭脳も境遇も身体的特性も皆違うじゃないか」
と反駁する方もおられるでしょうが、あくまで総合的な人生観からそのように思うのです。素晴らしい特技や頭脳を持った人にも多く出逢いました。大勢の素晴らしい経営者の方にも、よく可愛がって貰いました。
 そんな体験の中から、その方達を多方面から解析すると、一つに秀でていると、別の所が劣っていることに気付きます。
 現在では、このように秀でた箇所が突出していても、他の箇所が社会性から逸脱したようなところのある人を「アスペルガー症候群」と呼んで、特殊な人間であるように区別しています。また、他の人間との協調性への姿勢や物事の考え方の相違から逸脱するような事象があれば「発達障害」などといって、これらの人間も異常扱いします。私は、このような現代の傾向を、鷹揚にもっと高い見地から見てみると、人間の持つ心の総和は同じではないかという考えに至りました。
 一般的には、相手に劣ったところを見つけると、「劣った人間」というレッテルを貼りますが、私はそのような人には、「きっと、何処か秀でた能力があるに違いない」と、その箇所の発見に心を傾けます。
 ある日、知能障害を持つ大ちゃん(仮名)が、お母さんに連れられて、我が家にチャリティーコンサートの打ち合わせにやって来ました。彼は片手にポテトチップスが100枚ほど入った筒状の箱をもっていたので、私は「それ少し頂戴」というと、何と、何の衒いもなく、ガバッと半分を気前よくくれるのです。この優しさは、我々にはありませんね。知能的には確かに劣っていますが、その分それを補うかのように、情緒的な感覚は普通の子以上に豊かな優しさを持っているようです。
 我々は、自分の側から物事を見て、判断をしていることが大半です。これらを「認知バイアス」といいます。

 

★★勉強よりも感動!!★★

 こんな考えから、私は自分の境遇を振り返ってみました。ガラの悪い地域、貧乏な家庭(その頃はみんながそうでしたが)、強引な父親……こう書くと悪いことだらけのように思いますが、それを裏側から見ると、ガラの悪い地域で貧乏であったからこそ気骨が生まれ、得津武史先生の扱(しご)きについて行けたと私は考えます。
 日ロ戦争前に世に流行した言葉に「臥(が)薪(しん)嘗(しよう)胆(たん)」があります。薪(まき)の上に寝て、食事は苦い胆を食べるという意味で、寝食という人間が最もくつろぐ時もその快を排除し、自分自身を甘やかさなかった故事から来ています。
 このような艱(かん)難(なん)辛(しん)苦(く)を乗り越えるエネルギーは、貧しい中に生まれる要素が多いのです。人間に一番大切な心は「忍耐」であると私は思います。忍耐は継続力を育み、その結果、目標達成がもたらされ、人間の成功失敗を左右する根本的感情である「感動」を体験します。これまでも、このコラムに書いてきましたが、この「感動する力」こそ、頭脳を凌(りよう)駕(が)するエネルギー誘発のパワーなのです。
 感動は勇気を生み、目標を定める切っ掛け作りに大きく貢献します。そうして、感動はやがて心のバイブレーションとなって大きな振動を起こし、我々はその体験を求めて物事に挑戦する気概を手中に収めるのです。つまり、やる気、元気、勇気の源は、頭脳明晰性の中ではなく“感動のエネルギー”にあったのです。従って、「如何に感動する回路を心に育むか」が人生の分かれ目と言っても過言ではありません。
 私は、決して当初から才能を持ち合わせている人間ではありませんでした。ところが、どういうわけか新世界交響曲第四楽章のテーマと私の心が共振し、そのメロディーを聴いたり、思い出すだけで、何事にも勇気をもって向かって行けるようになりました。そして、始めは「聞きたい」と感じていた心が、やがて、「吹きたい(演奏したい)」に変わり、それが高みに達した時、「作りたい」と昇華してゆきました。
 このような言い方はとても勇気がいりますが、人間の人生は「勉強より感動!」と私は思うのです。その感動力は、教えて身につくものではありません。親や教師、また社会がバイブレーション豊かな感性で子供達に接した時、それこそその感性は、コンラート博士の研究成果「刷り込み」によって後天的に萌芽し、それが実践的行動力(能動)となった時、人は心の底から湧き上がる“歓び”を感知するのです。まさに、ベートーヴェンの第九交響曲の“Freude(フロイデ)”なのです。

   この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/