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今週の喝 第401号  (2012.12.24~2012.12.30)

第401号/2012年12月24日(月)~2012年12月30日(日)

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる潜在意識ってどんなもの?

この世は全て催眠だ(143)

言葉は内容よりも、インパクトが大切!

 

 メラビアンの法則……コミュニケーションに於いて、言葉の意味はたった7%しか伝わっていないとは、いやはや人間とは、本当に注意力のない生きものだと思います。

 たとえば、朝礼や会議でも同様のことが言えるということは、一所懸命に社長が訓示を垂れても、社員の耳に届きはすれど、心まで到達していないということです。

 「会議を制する者は、その内容如何ではなく、声の大きさにある」

と、昔から言われますが、メラビアンによって見事に立証されたことになります。意思の疎通は、身振り手振り、声のリズム、音質、抑揚、高低に、そのほとんどが委ねられていたのです。

 ハッキリとした記憶ではないのですが、NHKのフランス特派員をやっていた友人の話を紹介しましょう。

パリの高級レストランでの出来事です。

フランスで一流の俳優と劇作家が、初めは仲良く食事を楽しんでいたのですが、やがて、口論となりました。日本ならば、他の客に迷惑ということで、レストラン側が制するのでしょうが、人口の数だけ政党があると言われるような国民性です。その口論の内容を周りの人間も知りたいと思っているのを察知した支配人は、

 「皆さん、お騒がせして申し訳ありません。今こちらの御仁は、大ヒットのTV番組の脚本家と俳優さんで、そのヒットの要因が、『自分の脚本の秀逸性にある』、『いや、私が見事に演じたからだ』とお互いに譲りません。そこで、私は提案したいのですが、脚本家の方には、1時間の内に短い戯曲を書いて貰います。そして、俳優さんにはお好みの台本で何か演じて貰い、ココにおられる皆さんに判定して頂いては如何でしょう」

 と提案しました。

 

=コミュニケーションは内容よりプロセス制御=

 さてさて、レストランの客一同が賛同し、脚本家は早速サラサラとショート・ストーリーを完成させ、みんなの前で披露し、「さすがは一流」と呻らせる物語にみんな感動しました。

 そして、次は俳優の番です。支配人が「どんな台本で勝負しますか」と問いかけると、

 「ココのメニューを持ってきてくれ。それで十分だ」

と舐めたような態度です。一同は、その傲慢ぶりに少々腹を立てながらも、当代一流の俳優の申し出に、期待半分!

 そして、俳優が暫しのためらい時間の後、食事メニューの文言をドラマティックに(悲劇的に)読み上げました。ゆっくりと低い声から、やがて抑揚を付け、適宜強弱を加えイントネーションを駆使して、朗読すること5分……、何と場内からはすすり泣きの声が聞こえてきたといいます。

 

 私も全くフランス語が分からないにもかかわらず、彼(か)の地で見たフランス映画に感動し、そのストーリーをほぼ理解した経験があります。今でこそ、有名なオペラなど字幕スーパーを舞台の両サイドのスクリーンに映しながら演じますが、ほんの少し前までそんな設備はありませんでした。しかし、名歌手、名優が演ずると、ストーリーがしっかりと伝わってきたのを覚えています。

 この事象からも分かるように、内容(意味)よりも、その背景にある感情や雰囲気がコミュニケーションの主流を為すのです。つまり、内容よりそこに至るプロセスの方が、より重要であるのです。

 プロセスとは、会話や訓示などがどんな過程・状況進行しているかということです。端的に言ってしまえば、言葉の意味よりも、どんな気分のもとに話されているかということです。気分は五感(眼・耳・鼻・舌・身体)で感じた状況を、「心」で受け止める(第六感)ことによって決まるのです。

 今まで話してきた、呼吸や声、身体の動きやリズムによるチューニングは、このとらえどころのない「プロセス」というものを意識的に制御する方法であったのです。

 プロセスをもっと分かりやすく言えば、

 「相手の“今の気持ち”を大切にする」

ということです。

 ここで、しっかりと押さえておかなければならないのは、我々人間には人間独自の心の法則(感情の推移)があり、それがその人間の人生経路を司るのです。それは、決して物事の法則や脈絡に添った理性から発したものではなく、あくまで感情的な(場当たり的な)反応によって成り立っているため、人生をマイナスにすることが多々あります。

 本来、人間は幸せを目指して生きるべきですが、そこに“我”が存在するため、どうしても感情優先で素直になれず、反応と衝動、劣等感とリベンジなどが交錯して人生を不幸な迷路へ導いてしまいます。このような迷える子羊を救うためにも、我々は心の法則(催眠現象)を学び、(心の法則を)知っている者が知らない者を救済することで社会の安寧と人間関係の円滑化が図れるのです。

 「相手の今の気持ちを大切にする」

ということは、何か場当たり的な感じがしますが、言い方は粗雑ですが「毒には毒を以て制す」が如く、先ずは相手に対するチューニングによって、心開かせることが肝要なのです。

 

その解説は、来週のお楽しみ……('-^*)/