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(15)ケインズ木村

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 朝起きて、目が見えること、耳が聞こえること、話をすることが出来ることに驚きはありません。無意識で当然に思っています。レストランでメニューを注文すると、座っているだけで目の前に温かい料理が運ばれてきます。これも当然で何の驚きもありません。先日、お昼に事務所の近くの洋食屋さんに行きました。そこはレンガ造りで薄暗く、アウシュヴィッツで見た建物によく似ていました。私は、「ハンバーグランチ」とひとこと言っただけで、しばらくすると、温かいスープ、サラダと共に美味しそうなハンバーグが運ばれて来ました。これは奇跡的に幸福な事だと思いました。その後、ゆっくりトイレにも行きました。夜はマットレスのあるベッドで寝ました。アウシュヴィッツでの生き続けられない程度の食事、1日2回15秒のトイレ、物置の様な寝所、比べることではないかもしれませんが、今は、さながら天国での生活です。

 

 アウシュヴィッツに実際に行くまでは、多くの人がそうであったように、残虐非道なドイツ人と落ち度がないのに迫害されたユダヤ人の構図が自分の中に出来上がっていました。物事は深く考察し、現場の空気を感じ、背景をしっかり把握しないと真実が見えてこない事を学びました。ドイツでは約1%のユダヤ人が、金融や鉄道を独占していました。リーダーが存在せず、自分本位でお金が一番でした。経営者としての自分が、富を独占していないだろうか、権力を振りかざしていないだろうか、多くの従業員の嫉みをかっていないだろうか。戦争前のユダヤ人と同様の事をしていないかを、自己反省しなければならないと思いました。

 

 戦争が巻き起こした悲惨な事実を目の当たりにしながら、強くなければいけないと思いました。戦は勝つことが全て。今、日本も隣の北朝鮮が核開発を最優先に進めています。イラクもリビアも核戦力を持っていたら、あの様にアメリカにやられなかったと思います。一方がピストルを持っていて、もう一方が丸腰であったら、身を挺した議論など出来るはずがありません。もしすれば1発撃たれておしまいです。急速に進展する北朝鮮の核戦力に対し、アメリカでは北朝鮮を核保有国として認めようとする意見が議会でも出始めているそうです。核保有は認めるが、アメリカまで届く核戦力は認めない、と言うものです。すると、日本は北朝鮮に脅され続けることになります。日本も核武装の議論を始めるのでしょうか。北朝鮮も極秘にアメリカ本土に届く技術を開発し続けるでしょう。北朝鮮がピストルを持ち、日本が丸腰の場合、対等の外交が出来るはずがありません。もし、北朝鮮が中国かロシアの後ろ盾で、日本に侵攻し、アメリカが弱体化と共に二の足を踏んだ場合、北朝鮮の顔をした中国軍に占領されてしまわないでしょうか。その時に、反日感情を爆発させ、日本にアウシュヴィッツが出来てしまわないかを心配します。もちろん、杞憂であって欲しいと思いますが、恐るべき平和ボケと共に、東洋のユダヤ人と揶揄されている今、本当に憂国を考えないと、奇跡の昼食になってしまうと思いました。

 日本には武士道があります。ありました、と過去形が正しいかもしれません。だとすれば、日本人が“カポ”になり下がる可能性が無いとは言えません。

 アウシュヴィッツに行き、現地で学んだ我々が、今の日本の社長、即ち自分の姿勢を自ら率先して格していくことが必要であると感じました。それが、今回アウシュヴィッツで歴史との出逢いをすることが出来た我々の使命であると思えてなりません。

 

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