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今週の喝 第651号(2017.10.9~2017.10.15)この世は全て催眠だ(394)〜大谷大学1回生、月曜日第1校時は魔の授業!!〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる

潜在意識ってどんなもの? 

この世は全て催眠だ(394
大谷大学1回生、月曜日第1校時は魔の授業!
 
  浄土真宗開祖、親鸞上人曰く、
 「避けられえぬ業縁がなければ、人一人として殺せまい」
私の母校の大学は、京都大谷大学です。その名の通り、浄土真宗大谷派の運営する大学で、月曜日の第1校時は「真宗学」で、私が大学一年の時は桜部健(はじめ)教授の担当でした。そこでは、「教行信証」や「歎異抄」など、親鸞上人が残された素晴らしい教えを全く宗教心のない私に、文字通り、“馬の耳に念仏”の如く懇切丁寧に伝えて下さいます。しかし、私の住まいは兵庫県にある野球の殿堂・甲子園。大谷大学は京都北大路で、通学時間は約2時間!その為、朝6時に起きて、今津駅7時の阪急電車に飛び乗り、京都の市電が北大路に到着するのが8時50分……そして、月曜第1校時は9時よりスタートです。当時は、全く興味の湧かない真宗学の講義は、チンプンカンプンで睡眠剤以外の何ものでもありません。
 そんな寝ぼけ眼(まなこ)の私に桜部教授は、罰として先の「避けられえぬ……」の意味を現代語に訳してくるように言われました。
 さあ、大変です。
日本語であるにも関わらず、読めば読むほど何が書いてあるのか分からない……そんな時、持つべき者は友だちです。幸い、私は二人の有力な実家がお寺という助っ人がおり、助けを求めました。その中の一人、新光晴(あらたみつはる)君は、三重県津市にある東海寺住職の息子で、何でも良く教えてくれましたが、絶対に答えをスッと教えてくれないのです。新君からのヒントは、
 「梅忠、あの文章は全部否定語で書いてあるから、肯定語に修正すると現代文になるからガンバレ!肯定語にする前に、現代語に先ず訳すと分かりよいからな」
 そこで、私はその文章に果敢に挑戦したのです。

 

★★我々も、“カポ”になるかも知れない!★★

 「避けることの出来ない業縁というものが無いなら、人間は人を一人も殺すことは出来ない」
と言うことですから、これは総てが否定語なので、分かり易く現代口語の肯定文にすると、
 「私たちには(持って生まれた)“業縁”というものがあるから、人間を殺すことだってあり得る
と成ります。“業縁”の「業」とは生まれる前から自分に備わっている性質。「縁」は、生まれた後出会った人や社会から影響を受けた事柄です。つまり、業は「宿命」=自分では決められない世界縁は「運命」=選択肢と優先順位によって運ばれてきた自分の生命で、人はそれぞれが己の業縁によってその生き様を決めている(或いは、何か大きな力によって決められている)のです。
 私は、この解り辛い“業縁”を単純化して、「業」を身長、「縁」を体重と置き換えて解釈してみました。(勿論、新光晴君のアドバイスです)
 つまり、いくらもっと背を伸ばし格好良くなりたいと叫んでみても、それは不可能。しかし、体重を減らしてスリムボディーは努力によって作ることが出来ます。……とまぁ、こんな感じで、努力しても出来ないこと「業」と、努力によってなんとかなることである「縁」が絡み合って、私たちの人生が決まって行くようです。だから、
 「焦っても叫んでもどうにもならないのだったら、いっそのことそれらを司っている大きな力(阿弥陀さま)に総てを任せてしまえば良い
と、親鸞の師匠の法然が気付き、と言うことはこの世が本物と思っているけれど、あの世(浄土)のほうが本物で、あちらで“業”が創られていると考えた方が辻褄が合うとしました。それを、弟子の親鸞は、
 「法然さまの考えこそ本物だから、私こそ真の法然さまの考えを継承してゆくゾ
と、法然の“浄土宗”を自分の意思を明快にして、“浄土真宗”と呼んだのです。(これも、新君のうけうり話)

 そこで、先週のアウシュビッツでの残酷な所業に話を戻します。普通の人間は、何故あのような惨いことを、ナチスにせよ、親衛隊にせよ、カポにせよ出来たのだろう?人間は何処まで残忍になれるのであろうか?と考えますが、その背景には「私は出来ない!やらない!」という思いがあります。
 親鸞の「避けられえぬ……」の説文は、
 「おまえが人殺しをしないのは、そのような業縁(機会や出逢い)が無かったからで、おまえの心が美しいからではない!」
と、言っているのです。ですから、環境や状況が整えば、あなたも私も人殺しやカポのような振る舞いをする可能性があると、迫ってくるのです。私たち凡人は「自分が正しい」から、この世で「良い行い」をしていると解釈しがちです。しかし、私やあなたとて、アウシュビッツの環境に置かれれば、彼らと同じ所業に及んだかも知れないのです

   この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/