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今週の喝 第624号(2017.04.03~2017.04.09)この世は全て催眠だ(366)〜人間の弱さこそ、反省の切っ掛け!〜

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潜在意識ってどんなもの? 

この世は全て催眠だ(366)
人間の弱さこそ、反省の切っ掛け!

 先週は、平安中期の僧・源信「往生要集」を認め、人間の輪廻を修行(瞑想)の中から仮説し、その中で地獄極楽がこの世での所業によって向かう先であると説き、多くの衆生に感化したことをお伝えしました。そして、その脅しとも取れる生々しい地獄絵図は、あの世の存在を軽く見ていた者たちを震撼させ、悪の道へ行くリスクをたっぷりと味わわせた結果から、一種の催眠効果であることをお伝えしました。
 中国古代の賢者・老子は、この人間の弱さこそ人間が反省する切っ掛けになる事を、彼の人生から悟った最初の人間だと思います。
 現代人も、何も違反の無い状態で高速道路を走行していても、近くでパトカーの赤色灯が突然点滅すれば、自分ではないかとヒヤッとします。何も心にやましさがなければ、そのような感覚を感じることはないはずなのに、何故、ヒヤッとするのでしょうか?……それは、己の行動は何もしていなくとも、心では狡さが台頭し、誰も見ていなければ悪に走ってでも、思いを遂げようという心がどこかに有るからです。もちろん、これは現実ではなくて妄想の中でそのように考えていても、人間には、現実と想像の区別が高等動物故に付きにくいので、実際の世界と同じ生体反応が起きるのです。これが、「善」の正体かも知れません。
 この“ヒヤッ”が、心に起こったとき、実際には何も起きていないのにも関わらず、心はヘトヘトに疲れ果てます。このヘトヘトこそ、我々の中に住まう“前なる神”の為業だと考えると、悪へのストッパーの役割を果たします。
 催眠は、人間の特質である「現実と想像の区別が付きにくい」ことを応用して、呼吸を整え、集中力を増し、その結果起こるイメージ力の活性を利用して、想像の中で現実に起きたような感覚を促して、催眠者の思った方向に誘導してゆく術です。
 
★★「不争の徳」の実感は己の弱さの認知から……!★★ 
 自分は何も悪いことをしていないのに、“ヒヤッ”とする……この嫌な体験こそ、私たちの心に「善」が住まう証しなのです。生活の中での、俗に言う「ヒヤリ、ハッと」は、危機に遭遇するも辛くも避けることが出来た時に起こる、我々の血管収縮の為せる技です。逆説的に言えば、「ヒヤリ、ハッと」が起きると言うことは、私たちの心身に宿る何か(Something Great)が、次に実際に起こる何かを予感させ、未然に防ごうという未知の力が働いていると考えても辻褄は合います。
 私は、このような「ヒヤリ、ハッと」や胸騒ぎと言われる心の暗さは、我々とは違う別次元からの注意信号と解釈していますので、そのような暗澹たる気分が生じたときは、返って、別次元(もしかしてあの世)から見初められ、「災難に遭う!」という警鐘を鳴らされたと考え、心とは裏腹に、喜ぶことにしています。
 このような考えから、「往生要集」の地獄絵図に怖さを感じた人間は、実際に悪しき心を持ちつつも、それを改善したいという心も兼ね備えているということですから、それらを未然に防ぐことのできるパスポートを入手した、素晴らしい感性の持ち主だと思うのです。
 一括りにすれば、先人達の教えが心に響く人間は、その感性そのものが善悪を知っている善良な人で、プラトンのいう「イデア(本物・理想)」に気付いた人なのです。ですから、先人達の教えに抵抗を覚えたり、後ろめたさを感じたならば、それは善人への道を気付くことの出来る選ばれた人間であると自負し、素直な心で悪への恐怖を受け入れ、善に向かう決心をする素晴らしいチャンスでもあるのです。
 老子はこれらのことに気付いていたのでしょうね。
世の常識が、「人は強く、賢くなくてはいけない。弱くてバカはいけない!」と説いているときに、その内面の「弱さやバカさ」を持っている人間達に、「その感性こそ、愚かに気付くチャンス!」とばかりに、柔弱なることの善を説きました。
 「柔能く剛を制す」といった老子の考え方は、一見するとこの世に逆らった考え、ひねくれ思考であり“駄犬の遠吠え”のような見栄すら感じますが、実際に、堂々とした杉の大木は台風でなぎ倒されることも屡々ですが、ペンペン草のように、どんな風にも逆らわず靡くものは、決して、風によって倒されることはありません。イソップ物語の「風と太陽の話」でも、無理強いした風より、唯々優しく熱を出し続けた太陽の方が旅人の外套を脱がせることが出来た……のと、同じです。
 さあ、我々も自分の弱さから天の示唆、警鐘を感知し、それを素直に修正することで天を味方に付け、「不争の徳」を実感しましょう。

この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/